SWINGIN' Live Report update: 2001. 7. 5


2001年 6月 1&2日 The Joint - Las Vegas
Las Vegas Live Report TOSHI
会場に流れていたSam&Daveの曲が終わると同時に、舞台左奥からメンバー全員が登場してきました。レポート用に腕時計を見ると時刻は21時12分。ベスト姿のScott、カウボーイみたいなHowieの順にセッティングを始めました。シックなSteveはドラムセットの裏側へ回り、ダブルのジャケットにジーンズのMike、ダークスーツに薄い花柄シャツのBenmontも自分の愛器の調子を慎重に確かめていました。照明が変わり、時間にして5分程度経った頃、青いジャケットのTPが最後にギターを抱えメンバーに声を掛けました。

それを合図にSteveがスティックでカウントを取り、Mikeの激しいリフで始まったのは"Runnin' Down A Dream"。大歓声と合唱が会場中に響き渡りました。サビの「Runnin' down a dream, 〜」ではTPお得意のギターを縦にして高く掲げるポーズとHowieとScottのコーラスがクールにきまり、音の隙間をScottの弾くMartin D-18がシッカリ埋めていきます。ミキサーのせいか、Benmontのピアノの音量が大きすぎたところがありましたが、すぐに正常に戻りました。この辺りの切り替えの早さはさすがにベテランですね。セットリストで予習済みとはいえ、実際に音に飲み込まれた瞬間に興奮は一気にピークです。エンディングのソロはこれでもかといわんばかりの迫力で、あらためてMikeの凄さを思い知らさました。99年のツアーから同じタイプのGibson Firebirdを抱えてステージに立つことの多いTPと Mike。1965年頃のTV番組でThe Rolling StonesのBrian JonesとKeith Richardsが、やはりFirebird2台で演奏していたシーンを思い出してしまいました(といっても、リアルタイムで見た訳じゃないです。そんなに年寄りじゃないさ)。「彼らも子供の頃、テレビにかじりついてStonesを見たんだろうな〜」などと勝手な妄想に耽っていると黄色い嬌声と野太い歓声に包まれて曲が終わっていくところでした。

TPがギターをチェンジ。Guildの12弦を肩にすると同時に、Mikeが"I Won't Back Down"のイントロを弾きだしました。驚いたことにビデオや海賊盤で聞き慣れたアコースティックバージョンではなくオリジナルバージョンでの演奏です。Howieと Scottのコーラス隊も完璧、Mikeのスライドもオリジナルテイク以上に伸びやかな音でした。

ギターをGibson ES-335TDにチェンジし、上着を脱ぎ、紺地に花柄のシャツ姿になったTP。素肌にネイティブアメリカン風のネックレスが揺れている。Steveのドラムから始まった3曲目は"Breakdown"。この曲もMikeのプレイが際立っていました。いくぶん芝居がかったTPのボーカルが我々の耳を捉え「夢」の中に引きずり込まもうとする、その瞬間に切り込んでくるMikeのギター。夢と現実の混ざり合った不可思議な空間に漂うかのような感じに飲み込まれてしまいました。お馴染みのTPダンス (?)も見ることができてラッキーだった...... かな?。

またもやギターをかえるTP。MikeはFirebirdを抱えたまま、軽くネックの上に指を滑らせてフレーズを確かめている様子です。Stratocasterを抱えたTPが『Echoからの曲』と紹介して始まった"Billy The Kid"は、Benmontのプレイが印象的でした。ギターとボーカルに隠れて、決して目立ちはしないのだけれども、裏でしっかりと支えているBenmontのピアノとオルガンには、ただただ唸るばかりでした。

1曲毎にギターをチェンジしているTPが5曲目に手にしたのは「Torucaster」。2月に L.A.で、このギターを手がけた日本人ビルダー入戸野徹さんにお会いした時にうかがった様々な話題が脳裏に蘇ってきました。演奏されたのは、この日初めてのカバー"Heart Of Stone" (The Rolling Stonesの1965年のヒット曲)。TPの熱のこもったボーカルが最高に素敵な1曲でした。
Mary Jane's Last Dance (6. 2)
コンサートの前半最大のヤマ場は、TPがおもむろに舞台右手でイントロを弾きだした"Mary Jane's Last Dance"だったのではないでしょうか。ビデオや海賊盤で経験済みとはいえ、TPとMikeのギターバトルを眼前にすると言葉がでません。それ程に2人の、そしてThe Heartbreakersの演奏は緊迫感に溢れ、圧倒的な力を持つものでした。攻撃的なギターのサウンドと重たいドラム。その上にしなやかなボーカルと絡み付くようなコーラスが混じり合った瞬間に、聞いている我々の中で言いようの無い衝動が生まれてくる...... うまく言葉に表せないのですが、あの場所でこの曲を聴いたという事は、人生において何かとても特別な経験をしたような気がします。

やっと上着を脱いで、初めてギターをチェンジしたMike。お馴染みの「Broadcaster」で始めたのは"Here Comes My Girl"。TPの変幻自在なボーカルや Mikeのキラキラしたアルペジオ以上に、ここでも意外なことにBenmontのピアノが印象に残りました。さらに、演奏中に時折見せる笑顔がとてもキュートだという新たな魅力も発見してしまった(笑)。それにしても黒の上下が似合う人だな。

8曲目は"Even The Losers"。『Damn The Torpedoes』の順番通りの演奏は狙いだったのでしょうか。MikeのギターとBenmontのオルガンは原曲以上にレイジーな感じで、この曲に新たな解釈を与えているかのようでした。ギターソロからボーカルに戻る時のアレンジが変わっていたために観客の方が先に歌いだしてしまい、TPとバラバラになってしまったのが妙に可笑しかったです(「TPの間違いか?」と思ったのですが、翌日も同じアレンジでした)。この曲が終わったところで、Steveがスネアを交換しました。やはり、あれだけパワフルに叩くので皮が緩んでしまうのでしょうね。

続く2曲は『Wildflowers』からのナンバー。最初は"It's Good To Be King"。 Benmontの弾くメロディーが、この曲の持つ切なさを一層深めていました。このプレイの印象が余程強かったのか、この日以降私の中で「好きな曲」から「大好きな曲」に昇格してしまいました(簡単に影響を受けやすいな〜)。ダブルネックのギターを抱えたMikeは、後半のソロでE-Bowを使い幻想的な雰囲気を醸し出すフレーズを奏で、Steveの叩く正確で重たいドラムが最高のグルーヴを生みだしていました。 "You Don't Know How It Feels"はTP、Howie、Scottの3人で始め、3番辺りから残りのメンバーが加わるというアコースティックバージョンでした。TPの弾くギター (Gibson J-200)が、リズムのノリも良く、カラッとした乾いた音を響かせていました。

TPのメンバー紹介に続き演奏された4曲は全てカバー。まずは"Green Onions"。演奏力の高いメンバーの中でも、MikeとBenmontは群を抜いて凄いものがあります。オルガンとギターでここまで聞かせることのできる現役バンドは少ないのではないでしょうか。次は"Boom Boom"。まるで彼らのオリジナルであるかのような、持ち味充分な演奏を聴かせてくれました(作者のJohn Lee Hookerは惜しくも6月21日に老衰で亡くなりました。享年83歳)。"Call Me The Breeze"はもうノリノリ(死語か?)。オリジナルのJ.J. Caleのレイドバックした雰囲気よりも、朋友Lynyrd Skynyrdのバージョンを参考にしたようなハードなギターとピアノソロが最高でした。次はグッと渋く"Little Red Rooster"。Mikeのスライドは本当に粘っこく、Stonesバージョンよりも深いブルース・フィーリングを感じさせてくれました。とにかくMike先生はうまい!

15曲目、TPはGibson J-200に持ちかえ、アルペジオを弾き始めました。聞こえてきたのは"Time To Move On"。原曲とは違い、TPのギターがメインとなったアコースティックバージョンに、会場の雰囲気もいくぶん落ち着いたかのようでした。かといってサラッとしているだけではなく、『う〜ん、こんな解釈(演奏)の仕方もあるんだ』と唸らされるようなTPの歌とHowieのコーラスが耳を捉えてはなさない、そんな仕上がりになっていました。心に染みる曲というのは、こういう曲のことなのではないでしょうか。

TPのギターは舞台右奥に置かれており、そこのラックからギターテクのAlanによって手渡されます。今度のギターはGuildの12弦。AlanとTPが何やら簡単な会話を交した様子が見られました。マイクの前に戻りつつ2〜3度弦をはじき、音を確かめるTP。セットリストでの予習を思いだし『"Learning To Fly"をやるんだろうな〜』と思った瞬間、全く予想しなかったイントロをTPが弾きだしました。G-D-Asus-Dと続くコード...... 頭の中は真っ白になり、ただもう『オ〜』と叫ぶことしかできなくなっている自分がそこに(... 恥ずかしい)。短いトリップの後ふと我にかえって少し離れたMayuさんの顔を見ると、やはり上気した感じで瞳をキラキラさせていました。その後ろに立っていたジローさんも興奮と歓喜の入り交じった表情でした。我々Heartbreakers Japan Partyのキャンペーンサイトの名前にもなった"The Waiting"。この曲を聴くことができるとは夢にも思っていなかったので、その瞬間の気持ちをどう説明していいか...... 全く言葉がありません。「嬉しい」「驚いた」「まさか」「やった!」こんな単語でしか表現できません。アコースティックバージョンだったので、中盤からの盛り上がりという点では満足いくものではありませんでしたが、TPの歌とギター(これがウマイ)を充分堪能することができました。いや、本当にここに来て良かった。
余韻にひたっていると"Learning To Fly"が始まりました。Mikeはダブルネックギターでノビのあるスライドを聞かせてくれました。HowieとScottのコーラスもGOODです (この辺りは前の曲の感激を引きずっていたので、あまりよく覚えていません。申し訳ない)。

やはり人気のある曲が続くと観客のノリも違ってきます。拍手が鳴り止まないステージの上で、TPとMikeはギターをチェンジ。その合間にHowieはタバコを一服、二服。用意ができたTPがメンバーに合図を送り、自分のマイクにそっと近寄りHarry Belafonteの"Banana Boat"の一節を口ずさみました。「Day-O、Da〜y-O」。歌い終わると同時にSteveのカウントで始まったのは"Refugee"。TPの歌はオリジナルの雰囲気に近く、「Listen」の部分ではシャウトも聴かせてくれました。20年以上も前に作られたにもかかわらず、輝きを失わないのは、曲そのものが魅力的なだけでなく、演奏するメンバー全員の気持ちが一体になって生み出す音の塊が、我々の気持ちと呼応して、さらに大きなうねりを作り出していくからではないでしょうか。観客の歌声があまりにも凄く、演奏の方が引っぱられてしまいそうな部分もありましたが、さすがはベテラン、そこを上手く乗り切って自分達のペースに戻しました。ソロではギターを縦に高く抱えフレーズを弾きまくるMikeと、それを煽るTPの掛け合いが実にスリリングでした。本当にバンドと観客の想いが一つになってこそ可能である、緊張感と高揚感に満ちた空間が生み出される「奇蹟の瞬間」に立ち合えたことに感謝したいという気持ちでいっぱいになりました。エンディングでのMikeのチョーキングは、獲物に襲いかかるかのような迫力で我々に迫ってきました。この時の音は今も耳の奥 に残っています。

曲が終わっても興奮覚めやらぬ場内が、また興奮に包まれたのが"Too Much Ain't Enough"。『Playback』のブックレットでMikeは「僕の大好きなソロの1つだ。(中略 )僕はいつもトムに、あの曲をやろうと言っているんだが、何かわけがあって彼はやりたがらないい。でもとても演奏の楽しい曲なんだ」と語っています。その言葉通りにMikeのギターが大炸裂した演奏でした。スライドあり、小業あり、豪快なソロありと、もうこれでもかという感じでGibson Flying Vを弾きまくっていました。バックを支えるSteveの重厚でタイトなドラムも迫力満点で、HowieとScottのコーラスも最高です。TPは舞台狭しと動き回り、手にしたFirebirdを嬉しそうにかき鳴らしていました。まるで子供のようにニコニコ笑ったかと思うと、まばたきをせずにジ〜ッと見つめる表情をしたりと、パフォーマーとしての魅力にあふれたステージングを見せてくれました。

セットリストの予習からすると次は最後の曲です。ドキドキしながらTPとMikeのギターチェンジを見守っていると、TPはTelecasterを肩に戻ってきました。娘さん達から送られたTelecasterで演奏する曲といえば"You Wreck Me"です。TPがイントロのコードをかき鳴らすと、会場中から地鳴りのような歓声が沸き起こり、手拍子が始まりました。驚いたことに、TPのボーカルは20曲目にもかかわらず少しも衰えるところがありません。Steveのドラム、Benmontのピアノ、Scottの弾くRickenbacker12弦、そしてHowieのベースがしなやかなリズムを作り、その中に切り込むMikeのギター。それらを従え、余裕さえ感じられる笑顔のTPのボーカル。まさにロックン・ロール・バンドここに極まれりといった感じの演奏を聴かせてくれました。
演奏が終わり、観客の喝采と歓声に応えながら舞台左奥に下がっていくメンバー達。腕時計を見ると、開始から丁度2時間が経っていました。Mayuさんやジローさんに話しかけようとして、自分の声がガラガラなのに初めて気が付きました。観客の中から「Petty!」コールが起き、アンコールを求める拍手が続きましたが、私といえば、ただもうボ〜ッとステージを見上げるのが精一杯でした。

3分程経った頃、メンバーが再登場。観客の声援に軽く応えた後にMikeはダブルネックギターを、TPはこの日初めてのRickenbackerを肩にしました。この組み合わせといえば、曲は"Free Fallin'"。TPの弾くイントロは、とてもRickenbackerらしいジャラジャラした音をだしていました。『これはいいぞ』と期待に胸膨らませた状態で歌を待ったのですが、残念なことに演奏がヘンでした。(何が原因かわからないのですが、おそらく Benmontのピアノに問題があったのでしょう)この曲の間中ず〜っと「ズレた音」でのピアノのリフが鳴りっぱなしで、Scottなんかはキョロキョロしながら、その出所を探していました。ホテルに帰って同行者に尋ねるとaraさんは同じ意見だったので、やはり何かがおかしかったようです。

American Girl (6. 2)
それと、曲の後半で2人のティーンエイジャーがステージに上がってしまうというアクシデントがありましたが、幸いセキュリティーの手で、すぐに排除されたので何事も起こりませんでした。TPは一旦右によけていたのですが、2人を避けるかのように身体をよじって顔だけマイクに近づけて「Free fallin'」という部分を見事に歌いきっていました。

アンコール2曲目は、金曜日ということもあってか"Lonley Weekends"をサラリと演奏。TPのボーカルとHowieのコーラスのベストマッチングが楽しめました。

ここでTPとMikeはRickenbackerを手にしました(TPは12弦、Mikeは345JG)。曲は "American Girl"。HowieのベースやMikeのギターは決して派手ではありませんが、ツボを抑え、独特のノリを持ったプレイは現役最高にランクできるロックン・ロール・バンドの本領発揮といったところです。エンディングを弾き終えた時に見せた Mikeの会心の笑みが全てを物語っていました。

大きな拍手と歓声に包まれステージを去ろうとしたメンバーの中で、 TPだけはまだ心残りがあるかのようにウロウロしていました。結局、TPに引きずられる形で "Alright For Now"を演奏する羽目になった残りのメンバーたち。「しょうがないな〜」という表情をしていましたが、決してイヤという気持ちではなく「また気紛れを起こして」と悪戯小僧を見守るような表情だったのがとても印象的でした。演奏が終わりメンバーが舞台下手に去っていくと照明が明るくなりました。ステージの上のドラム台に、TPとMikeが肩からはずしたRickenbackerが立て掛けられていましたが、そこだけは微かな熱気が残っているような感じがしました。
2日目は前から2列半(?)というポジションを確保できたので、普段見ることのできないギターの細部や演奏中の表情をこの目に焼き付けたいという意気込みで臨みました。オタク爆発です(笑)。※ギターに関してはこちらをごらんください。

この日は前日よりも13分遅れの21時25分に登場。TPは前日と同じジャケットと色褪せたジーンズで靴は薄い緑色のスニーカー(バックスキンタイプ)。Mikeはフリンジの付いたベージュのジャケットにTP以上に褪せたジーンズ(左膝の上あたりに丸いワッペン付き)、靴はモカシンタイプ。Benmontはダークスーツに薄いグレー地に小さめの赤いドット柄のシャツで、足元はやはり黒のコインローファー。Howieは鮮やかな赤のウェスタンシャツに黒のスリムジーンズと黒のスニーカー。右耳にはやや大きめのピアスをぶらさげて、頭には前日と同じカウボーイハットを乗せていました。Steveはダークグレーのシルクっぽいシャツに黒のパンツに小さい眼鏡で知的な雰囲気を醸し出しており、Scottはグレー(orダークグリーン)のシャツに同系色のパンツでベスト着用という格好でした。

ダブルFirebirdが揃ったので、前日通りのオープニングかなと待ち構えていたのですが、どうも様子が違います。1曲目の合図をTPがだしたのです。『あれ?』と思った瞬間、Mikeの弾く強烈なフレーズで始まったのは"Around&Around"。不意打ちをくらった形になって、冷静に観察しようという想いは、あっさりと吹き飛んでしまいました。アップピッキングで強調されたMikeのギターが観客とバンドの両方を煽って、もう凄いノリでした。TPのボーカルも全開で、昨日以上の内容が期待できそうな予感がしました。

2曲目は前日の1曲目の"Runinn' Down A Dream"。サビの「Runnin' down a dream,〜」で得意のポーズをきめたTPですが、結構カッティングがアバウトなのに気付きました(ギターに詳しくない方、ギターに興味の無い方ゴメンナサイ)。ここは頭に休符が入るのでギターは「Runnin' down a dream ンジャジャジャジャジャジャジャ」となり「ン」は8分休符なのでカッティングは裏(アップ)からが正解なのですが、そういうところはMikeとScottに任せて、TPはダラダラと弾いていました。手抜きか(笑)。

ここでTPは上着を脱ぎ捨て身軽に。近いのを良いことにお尻を見つめると、そこには見たことのあるVラインがありました。発見、TPのジーンズはLevi'sでした(笑 )。続いて"I Won't Back Down" "Breakdown"。間近でみたMikeのプレイはやはりスゴイ。特に印象に残ったのは"Breakdown"で、前半はFirebirdのフロント・ピックアップを使って甘めのトーンで押していって、後半はスッとリア・ピックアップに切り替え、ゴリゴリの音で弾きまくっていました。また、バッキングは抑えて、ソロではバリバリ弾くのはあたりまえですが、ソロからバッキングに戻るタイミング/音量/音色3つ揃ってパーフェクトなのは、もう感心するしかありませんでした。ここまですごいとは!安易にボリュームペダルやミキサーに頼るのではなく、自分のピッキング(強さやポジション)で調整していたのですが、それもさりげなくやるところがニクイ。
この後は前日と同じ曲が続きました。11曲目の"Time To Move On"と13曲目の"You Don't Know How It Feels"ではTPの弾くJ-200の生音を聞くことができましたが、本当にカラッとして乾いた音でした。これも2列半(?)というポジションのなせるわざでしょうか。そうそう、TPの洋服に関してもうひとつ。彼は革のベルトをしていたのですが、なぜかシャツの後ろの部分がベルトの下になってしまい、なんだか不思議な格好になっていました。

14曲目は"Guitar Boogie Shuffle"。Mikeが大活躍、というか一番子供のような表情になった瞬間でした。続いてMikeが手にしたのはCoral Electrick Sitar。これはもう"Don't Come Around Here No More"だと誰もが分かります。長い前置きも帽子のパフォーマンスもありませんでしたので、若干あっさりとした仕上がりでしたが、その分ストレートに曲を楽しむことができました。後半以降、Rickenbackerに持ち替え、髪の毛を振り回してソロを弾くMikeの指使いを見ているとほとんどミストーンがありません。ファンは彼の偉大さを充分理解していますが、もう少し世間的に認知されていいんじゃないかなと歯がゆさを感じました。

"Little Red Rooster" "Mona" "Lucile"と3曲カバーが続きましたが、彼らは原曲を咀嚼したうえで演奏しているので、「ちょっとやってみました」的な部分は微塵もありません。それに、演奏中に本当に楽しげに振舞う彼らの姿からは、先人に対する尊敬と愛情が感じられました。カバー、オリジナルの別なく、こういうレベルの演奏が続くのですから、Live中にテンションが下がるということがありません。聴く方は常にワクワクドキドキしていられるのですから、なんとも贅沢な話です。
Refugee (6. 2)
2日間とも最後は"You Wreck Me"。「Wildflowers」からの曲ということもあって、胸につけていたTeam HB特製「Wildflowersバッヂ」を目立つように襟につけなおしました。演奏中TPは会場をよく見渡してくれます。特に前の方は一人一人に視線をくれます。私の方を見た時にTPは何やら頷くではありませんか。偶然かなと思ったのですが、また視線があった時に、今度は指をさしながら頷くではありませんか。あきらかに私のバッヂに反応してくれたようです(この辺りで私は妄想モードに入ってます)。試しにバッヂを振ってみると、今度も指をさして大きく頷いてくれました。この時の気持ちは上手く表現できません。まあ、単なる偶然だったんでしょうがね(人はこうしてストーカーになっていくのでしょうか)。

4分程の休憩を取って再登場したメンバーはとてもリラックスした表情でした。煙草片手のHowie、Budwiserの壜を持っているScott、お守り毛布のようにタオルを手にしているMike。アンコールは"Free Fallin'"からでしたが、昨晩のようなこともなく無事に終えました。その次に演奏されたのは予想外の"Knockin' On Heaven's Door"。この曲は1986年に武道館で聴きましたが、その時の感動がよみがえってきました。
最後の"American Girl"が演奏された時に心の中に去来したものは「ああ、これで終わりか」という寂しさと共に、「絶対、日本でみんなと観たい」という強い感情でした。その夢の実現のためにできることを探し、まだまだキャンペーンを続けていきたい。余韻の残るThe Jointの中で、Mayuさんとピックをゲットできたのも、そんな気持ちに対する何者かのシンパシーの現われだったのではないかと、ふと考えてしまいました(妄想かもね)。
Las Vegas Report Top / Guitar Boogie Shuffle