SWINGIN' Live Report update: 2002. 7. 23


2002年 6月 27 & 27日 Van Andel Arena, Grand Rapids & Blossom Music Center, Cleveland
Live Report maru
今回、私は、あえて名付けて『アメリカ欲張り(過ぎ)ライブ観戦ツアー』に出かけてきました。とはいっても、当初はNashvilleで行われるカントリーミュージック界最大の祭典、Fan Fair (6月13〜16日)を見に行くのが目的であり、期間もそれに合わせて約1週間の予定でした。それが、Ticketmasterを連日チェックしているうちに、たちまち欲が出てきてあれもこれもと言っていると、なんとTom Petty & The Heartbreakersがツアーを開始するというじゃありませんか。「これは運命だわ!」と都合のいい解釈をし、6月内にやってくれるんなら見に行こうと腹をくくり日程の発表を待つと、遂に6月27日からの日程が発表されました。しかも27、28日続けてです。それぞれミシガン州、オハイオ州だったので、早速グレイハウンドの時刻表で検索すると、バスでも移動できない距離じゃない。せっかく初めて見るんだし、こうなったら両方行ってしまえと、とどまる所を知らない私の欲のせいで、結局6月末日まで休暇を延長したのでした。TP&HBのチケットは両日分ともTicketmasterで取りました。欲張り過ぎただけあってかなり無謀な旅程でしたが、6月12日のBonnie Raittを皮切りに、Fan Fairで見た分を含めると数え切れないアーティストを堪能しまくることができました。しかも最後がTP&HB。最高の旅になりました。

 6月27日。
前日26日午後2時にMinneapolisからバスに乗り、乗り換えること2回、27日のお昼前に目的地Grand Rapidsのバスディーポに到着しました。バスディーポは規模も小さく、周りの様子は妙に閑散としていて、散歩したくなるような雰囲気ではありませんでした。実際、New OrleansからDetroitへの飛行機の中で会った人から「Grand Rapidsは特に見るものもないし、ダウンタウンの辺りはそれほど治安も良くない(バスディーポも会場もダウンタウンのど真ん中)から気を付けてね」と教えてもらっていましたし、疲れたのと元々ぐうたらなせいもあって、ホテルに直行しゆっくりすることにしました。とはいえ、仮眠もとらず(まぁバスの中でさんざん寝はしたんですが)映画を2本も見てしまいました。

私の泊まったホテルから会場までは車で10分程度の距離でした。実は約1週間前に全く同じ会場でEaglesを見ていましたので、2度目ということもあり、少しは気を楽にすることができました。ただ、私は車の免許を持っておらず、帰りのタクシーをつかまえるのは至難の業でした(タクシー会社に電話しても来なかった、あるいは私が自分のタクシーを見つけられなかった、誰か他の人が乗ってしまった等)。それが気がかりでコンサート後半になるにしたがって不安感におそわれて集中力は欠けてしまったと思います。

でも、そんな不安があっても、チケットを受け取り席を探す段階になるといつの間にか半笑いになっているから不思議です。私の席は2階で、ステージに向かって右側でした。ステージからはかなり遠い位置でした。

今回私が観るのは両日とも"Outdoor"だと思っていたのですが、Grand RapidsのVan Andel Arenaは"Indoor"でした。それほどばかでかい会場ではありませんでした(約1万2千人収容だそうです)し、99年のツアーの初日も同じ場所で行われたということで、観客の興奮度は相当高まっていたのではないかと思います。

オープニングアクトは、初日だけMavis Staplesが努めました。が、それを知らなかった私はThe Brian Setzer Trioが出て来るものだと思ってました。彼らを見るのも初めてでしたし(その前に行われた来日公演は自粛したので)、わくわくして待っていると、やたらとアダルトなバンドがファンキーな音を鳴らし始めたのでかなり困惑してしまいました。そしてMavis Staplesの登場です。ごめんなさい、終始「誰?」状態でした。今も、「The Last Waltz」にご出演されたということは相当ビッグな人なんですねー、という認識しかないのです。半分寝ながら聴いてしまいました。一応隣りの人に「あれ誰ですか?」と聞きはしたんですけど、残念ながらその人も知りませんでした。よく分かってない者同士でした。
さて、無事オープニングも終了し、約30分後、客席もほとんど埋まりようやく照明が消されると、驚きました、なんて大歓声でしょう。客層や会場の規模、形状なんかにもよるんでしょうけど、私が今まで見た中で一番の音量だったんではないでしょうか。Eaglesのオハイオ公演でのJoe Walshへの歓声も相当なものでしたが、それ以上だったように感じました。もう圧倒されました。彼らの本国での人気ぶりは承知してたはずなんですが、あの歓声を体感し、改めて彼らの偉大さをひしひしと感じることができました。

全体を通して思ったのですが、曲間が長かったです。彼らはいつもそうなんでしょうか?ライトが消えた状態でなにやらもぞもぞしてた時間が長かったです(長くて1分以上)。あの時間を詰めればあと数曲できたはずでは?とも思いますが、彼らには必要不可欠な時間だったんだろうと前向きに捉えておきます。単に私がせっかちなんでしょうか。

さて、登場した彼らをぱっと見てTom PettyとMike Campbellのカチっとしたスーツ姿に少し驚きましたが、Mikeのビッグヘアを見てなぜか安心しました。Steve Ferrone以外は全員ジャケットを着てたと思います。一応全員の姿をきっちり見ておきたかったんですが、まるで磁石のようにTomとMikeに視線が吸い付いていってしまいました。ヘロヘロのシャツでも絶対メロメロになったでしょうが、スーツも素晴らしくお似合いなんですねー。遠くてよくは見えなかったんですが、それでも「やっぱりバランスいいよなー」と見とれてしまいました。

Benmont Tenchのいい仕事ぶりは聴くことができましたが、いい男ぶりは残念、ちょっと分からなかったです。でも、幸か不幸か額の広がり方もよく分かりませんでした。

Ron Blairについては、全体的に一歩下がっておとなしくしてた、という印象でした。

Mayuさん達に見せて頂いた2001年のTomの写真ではそのぼてぼてぶりに驚いたものでしたが、今回は以前から抱いていたイメージ通りのスリムな体型でした。私はかなりの「ヒゲ好き」ですので(誰のヒゲ、ではなくヒゲが好き)、是非彼のヒゲ面を見たかったのですが、すっきりしてしまってたので少し寂しかったです。よくは見えてなかったので願望的に「ヒゲはえてるんじゃない?」なんて思ったりもしました。その代わりといってはなんですが、少し長めのさらさらヘアがとても印象的でした。

Mike Campbellについて。好きなギタリストはいろいろいますが、特に私が好きなのは、Pete Anderson (performing with Dwight Yoakam)やKeith Scott (Bryan Adams)といった、一言で言ってしまうと「脇役に徹する方々」で、Mikeはその最たる存在です。黙々と仕事をこなしてるかと思うと体を上下に動かし楽しそうにジャカジャカ弾いてみたり、またある時は胸がキューンとなるようなビブラートたっぷりのソロを聴かせてくれたり・・・もう最高でした。実際彼のギターを弾く姿を見てより一層好きになりました。Mikeは最後のほうではかなり大きめのシャツの裾を出して(シャツが)ヘロヘロ状態でリラックスしてた感じでした。もうどんな姿でもいいもんはいいんですね、はい。

ステージ上は実にシンプルでした(私好み)が、彼らに華がありましたので、とてもまぶしかったです。
どの曲も素晴らしかったんですが、いくつか抜粋させていただきます。

記念すべき私にとって初ライブの1曲めは"I need to know"。本物ですよー、なんだか夢を見ているようでぼーっとしてしまいました。どの曲を演奏しているか、というよりは、自分のいる空間で彼らが演奏していることに感動してました。後で気付いたんですけど、個人的に聴いてみたかった曲があんまり演奏されなかった、ていうのもあったのかもしれません(生意気なことを・・・スミマセン)。あれだけ長くやってるバンドですから、多かれ少なかれそういうちょっとした心残りはつきものですね。

"Mary Jane's Last Dance" ボックス・セットで初めて聴いてショックを受け、2度目で昇天し、彼らのファンを名乗りたいっと思うようになった思い出の曲です(という訳でファン歴は浅いんです)。好きな要素はたくさんあるんですが、その中でも絶対はずせないあの高音のコーラス、残念ながら聞けませんでした。Scottはハーモニカで口がふさがってますもんねぇ、残念でした。でも、幸か不幸かお客さんの誰かが必ずあのコーラスを口ずさんでいたので、少し腑に落ちない部分を残しつつもうっとりじっくり聴きました。細かい話で恐縮ですが、後ろから響いてくるMike Campbellのハーモニクス、あれにもうっとりでした。あれ大好きなんです。

"It's Good To Be King" これはダークホースでした。他の方のLive Reportを読んだり海賊盤で聴いたりしたところ、相当なExtended versionになるようだったので、あんまり長くやられると寝るかもよーんと思っていたのですが、やっぱりライブは違いますね。集中力が途切れるどころか、私には一番の泣き所でした。確かに長い。長いんですが、TomとMikeが向き合って演奏しているその場所からは、オーラ、ですかね、とにかくなんか出てました。ごめんなさい、上手く表現できません。ただただ圧巻、感動で胸が詰まり、もう釘付けでした。

この日は新曲を3曲続けて演奏したのですが、2曲終わってからTom Pettyが「もう1曲やりたいんだけど、いいかな?(Is that all right?)」「初めて演奏するから死ぬほどどきどきしてる (It's scarin' me... to death)」なんて言ったのが印象的でした。彼の繊細さをナマで感じた気がしました。好感度アップしまくり。新作もかなり期待できそうですし、今度こそ日本のファンの前で演奏してほしいです。

"Runnin' Down A Dream" Scott Thurstonがサビのところでアコースティックギターのサウンドホールをマイクに近づけてギターをジャカジャカ弾く姿、はまりました。あの時だけはScottに目が行ってしまい、他のメンバーを見てませんでした。

"Free Fallin'" これは私が始めてTom Pettyと出会った曲です。隣りの人も相当好きらしく、少しでも時間があくと「She's a good girl〜」と歌って、聴きたくてしょうがない様子でした。この曲に限ったことではないですが、良い曲ってライブで聴くと一層その魅力を感じとることができると思うんですけど、今回もやっぱりそうでした。バンドの演奏も観客の大合唱も、全てが五感を刺激していろんな器官が張り裂けそーう、と思うほど感動しました。

最後は"American Girl"で大合唱。曲が終わって全員が前に出て来るとき、Mike CampbellがすすっとRon Blairのもとに歩み寄り、抱擁を交わしたのがなんとも印象的でした。

ライブが終わると、帰りの足への不安がどっと押し寄せてきたので、とりあえず終わって客席の照明がついたことを確認するとすぐタクシー会社に電話をかけに行きました。ここでもまた今までになかったことを体験しました。もうライブが終わったにも関わらず、会場の至るところにいるお客さんが叫ぶ、叫ぶ、叫ぶ。もう一度TP&HBが出てきたのか?と思うほど(ほんとに出てきてたんだったりして)の大歓声がしばらく断続的に響いていました。バンドの演奏、姿、そしてこの大歓声、すべてが胸に刻まれ、忘れられない夜になりました。

 6月28日。
朝8時半のバスに乗りClevelandへ。Clevelandには17時ごろ到着しました。本当はClevelandから30マイルちょっと南下したAkronという町のほうが会場、Blossom Music Centerには近かったんですが、私はClevelandから会場に向かいました。Blossom Music CenterはCuyahoga Fallsという所にあります。Cuyahoga Fallsについては特に調べることもなく行ってしまったのですが、会場の周辺はどう見ても「すごい山奥」でした。バスで走ってるときにも道路脇に鹿をはじめ数種類の動物たちの無残な姿を目撃しましたしね。なんだかんだあって帰りの足の確保にはやっぱり泣かされましたが、ともかく無事帰れたのでよかったです。

前日もそうでしたが、カメラやオーディオの持ち込みは特に制限はないようでした。この日はバッグをチェックされましたが、ペットボトルを空にするよう言われただけでした。この辺は会場やアーティストによって対応がずいぶん違いますね。

今日はThe Brian Setzer Trioが出てくれるのかなぁ?と心配でしたが、グッズ売り場に彼らのシャツが売られているのを確認し、ほっとしました。結局私は何も買わずじまいでした。旅の前半でお金を使いすぎた、というのもありましたけど。でもそこはそれ、実際グッズを見て相当悩みました。今回は使えそうだと思ったものはとにかく買っていたのですが(使えなさそうなものも買いましたが)、TP&HBのTシャツ、サイズ的に使えそうなやつの柄がDamn The Torpedoesのジャケット(しかも全面にでかでかと)じゃぁちょっと・・・。Tシャツは全部で3種類あり、Torpedoes以外の柄はかなり素敵でした。いや、Torpedoesが悪いというわけではなくて・・・私も買おうかどうか迷いましたし実際よく売れてたようでした。それはいいとして、残り2種類は、RickenbackerのTom Pettyモデルの写真がプリントされてる黒、メンバーそれぞれの「いい感じショット(近影)」がプリントされている緑(モスグリーンっていうんでしょうか、いい色でした)というものでした。バックにはツアーで回る都市名が書かれてたようです。ちなみにTorpedoesは赤でした。あとは確か"2002 Tour"などと書かれたマグカップが売られてました。

Blossom Music Centerは、ステージを囲むように屋根つきの席が設けてあり、その後方に芝生席があるという会場です。この日の私の席は、ステージ真正面、音響機材の後ろでした。前から数えるとざっと40列目くらいでした。なかなか良い席だったと思います。

開演時刻8時を少し過ぎた頃、おもむろにBrian Setzerが登場してきました。まだ空も明るかったし、ステージ上はばたばたしてたので一瞬ローディーかと思いましたが、歓声もあがりましたし、確かに彼でした。片手を挙げて「Hi!」と言いギターを肩にかけ、てくてくステージ中央に来て挨拶を済ませると、次から次へと流れるように演奏をしてました。ギターはもちろん最高にかっこよかったです。エレキぃなバンジョーもよかったです。あとChet Atkinsメドレーも素敵でしたけど、私はヨーデルが一番はまりました。それにしても、オープニングアクトの宿命とはいえ、席はがらがらでした。ほんと、もったいない話です。
約50分のステージが終わり、それから40分ほどして、Tom Petty & The Heartbreakersが登場しました。内容はTom Pettyのお話の内容も含めて前日とほぼ同じでした。ただ、この日の新曲の演奏は、前日に比べると緊張感も薄らいだのか、淡々とやってました。

前日と違ったことはというと、隣りの隣りあたりに一際熱狂的なTom Pettyファン(男性)がいたことです。数人で来ていたようですが、始まる10分くらい前に席につくなり「Come on, Thomas---!!」と叫び続けてました。そして始まったら歌う歌う。音がハズれてようがお構いなし、隙さえあればとにかく歌う。私は基本的には微笑ましい気分でいましたけど、"Mary Jane's〜"でしょっぱなから歌われたときにはどうしようかと思いました。しかもあなたメタルじゃないんだから、てなくらいにシャウトして歌っちゃうので、普通にしてたらTomの声が聞こえませんでした。当然あの高音のコーラスも歌ってくれました。当然音は見事にハズしてましたけど。さすがに"Here Comes My Girl"は手に負えなかったようで途中まではおとなしくしてくれてましたけど、「Hey! Here comes my  girl〜」からは堰を切ったように叫んでました。今思うとそれも楽しい思い出です。こんなにも愛されるTom Petty、素敵です。

"American Girl" 前日は、演奏に入る前に観客をあおって大騒ぎさせてからイントロを弾いて大盛り上がりしましたが、この日は"Banana Boat Song"の「Day O〜」部分をみんなで歌ってから始まり大盛り上がりしました。何をしてもあのイントロが響いたら会場は盛り上がるんですね。この曲でもうおしまいだと思うと変に気が焦ってメンバーを目に焼き付けようときょろきょろして、かえって全てうろ覚えになってしまった気がします。でも最後はやっぱりMikeとTomに視線を集中させ、この上ない幸福感に浸りながらフィナーレを迎えたのでした。
今回初めて実際に彼らのライブを見て、とにかくメンバー全員がライブを楽しんでるな、と思いました。演奏中の彼らは「ベテラン」「大御所」なんていう呼称が似合わないほど、とにかく若々しかった。本当にライブが好きなんでしょうね。とはいってもそれは、自分たちだけ楽しめればいいというような独り善がりのものや、いかにもビジネス的なものではなく、常に彼らの中に観客、ファンへの感謝だとか愛情とか、そんなものがあるように感じました。アーティストがライブ中「Thank you」を連発するのはごく普通のことですが、Tom Pettyのナマで聞く「Thank you sooooo much」は、一段と心がこもっているように聞こえました。そしてその都度私も「Thank YOU sooooo much」と思わずにはいられなかったのでした。本当にありがとう(泣)。次は是非日本で見たいです。
Jun-27 Grand Rapids, MI
- Van Andel Arena
Jun-28 Cleveland, OH
- Blossom Music Center
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I Need to Know
I Won't Back Down
Refugee
Mary Jane's Last Dance
Here Comes My Girl
Even the Losers
You Don't Know How It Feels
It's Good to Be King
Time to Move On
Learning to Fly
Have Love Will Travel
Lost Children
Can't Stop the Sun

You Wreck Me
Too Much Ain't Enough
Runnin' Down a Dream
- encore -
Free Fallin'
I'm Cryin'
American Girl
I Need to Know
I Won't Back Down
Refugee
Mary Jane's Last Dance
Here Comes My Girl
Even the Losers
You Don't Know How It Feels
It's Good to Be King
Time to Move On
Learning to Fly
Have Love Will Travel
Lost Children
Can't Stop the Sun

You Wreck Me
Too Much Ain't Enough
Runnin' Down a Dream
- encore -
Free Fallin'
I'm Cryin'
American Girl
ticket