Live Report update: 2003. 7. 27


2003年 6月 26 & 28日 Sioux Falls Arena, Sioux Falls, SD & Marcus Amphitheater/ Summerfest, Milwaukee, WI
 Sioux Falls〜Milwaukee: 遠征レポート Mayu
* Introduction

ほとんどビョーキなのでしょう。TP&HBのライブと聞くと出掛けて行ってしまうという生活を、気が付けば、ここ6年くらいしているのでした。ライブを観ている間は、ただただ「キャーー」という感じ、それでも多少の出来事は覚えてはいるのですが、ライブが終わった途端に、いろいろなことを片っ端から忘れてしまうのです。どんなに良い席で観ても、完全に「ネコに小判」状態なのでした。でも、だからこそ、飽き足らず、また次のライブが観たくなるのかもしれません(コジ付け)。

TOSHIさんやしげやんと一緒にライブを観ていて思うのですが、彼らはさすが音楽オタ○、実に的確に細かい事もチェックして覚えています。今回も流石だな〜と思ったのでした。という訳で、音楽的なライブ・レポートは彼らにお任せして、私は遠征レポートに徹することにします。済みません、演奏内容の描写がありませんけど、どうかお許しを。
* Milwaukee と Sioux Falls

3月、Officialからツアー情報が発表され、ミルウォーキーのSummrefestへの出演が、(その時点で)「今夏唯一の全米でのライブ」と伝えられました。ミルウォーキー、そこは2月24日に亡くなったHowieの生まれ育った街、その地名が私の心を捉えたのかもしれません。この時点で、実際に行けるのかどうかは微妙でしたが、とにかく、チケットだけでも確保しようということになり、(既に行くことを決めていた) しげやんにお願いしました。オフィシャル・サイトのプレセールスで購入したチケットは前から25列目くらい、まずまずという感じでしょうか。他には、araさんとTOSHIさんも参戦を表明。結局、月末でもあるので、6/26〜6/30までの3泊5日という、つつましい日程で遠征をすることに決めました。

しばらくして、私の大好きなFleetwood Macが新作を発表し、ツアーを行うということを知りました。6年ぶりのツアー、これは是非とも観たい。6/28以前でMacを観られる場所はあるのか??とチェックすると、運良く6/27にシカゴ郊外ローズモントでのライブがありました。折角だからと、6/26にも何かないかと探してみると、Neil Young@MSG(NYC)、オープニング・アクトがLucinda Williamsというのを発見。これはかなり心惹かれる誘惑で、実際、チケットまで購入してしまいました。

ところが、その後、TP&HBのスケジュールに変更があって、全米でのサマー・ツアーが実施されることになりました。何と、初日が6/26。NY@NYCとTP&HB… Lucindaに後ろ髪を引かれつつも、やはりTP&HBへの愛が勝ったのでした。

ツアー初日はSioux Fallsという街でした。Sioux Falls(読めない)?一体どこなんだろう??情報が出てからは、この見知らぬ街のことで頭が一杯でした。家にあった地図で確かめると、スー・フォールズと読むらしく、サウス・ダコタ州の東端の街で、まさにアメリカのど真ん中(かなり北ではありますが)に位置しています。最寄の大都市はシカゴでした。航空会社のサイトで確認すると、シカゴから2時間弱のフライトです(実は、おお飛行機が飛んでいるのかと感心)。続いて、会場の情報を調べると、空港からは程近く、大きなホテルにも隣接しているのがわかりました。これで心はスッカリ傾きました。車の運転ができず、語学力もない私には、会場の立地条件が最大のポイントです。かなり辺鄙そうな街とはいえ、何とか条件はクリアしているように思えました。

しげやん、TOSHIさんを巻き込んで大騒ぎの後、「やはりTP&HBだ〜!」と心を決めました。こちらからご一緒することになるTOSHIさんは勿論、反対しませんでした(ただし、Fleetwood Macのライブにはずーっと抵抗していましたが)。さらに、頼れる友人しげやんも、初日スー・フォールズからの参戦を表明。3日間ともご一緒できることになりました。4月下旬にワシントンDC郊外に転居した彼にとっても、今回は渡米後初の本格的な遠征です(地元DCではライブ観まくりのようではありますが)。奇しくも、MMスタッフである3人が揃うということで、現地での合流がワクワク楽しみでした。

スー・フォールズのチケットも、しげやんがGETしてくれることになりましたが、Official Siteのプレセールスでの成果は今イチで、スタンド席しか取れませんでした。そこで再度、一般発売で購入を試みると、なぜかアリーナ席が取れました。どうなっているんだ??それにしても、私自身もオフィシャルのプレセールスは全然良い席あたりません。こればかりは諦めるしかないのでしょうか(複雑な心境です)。
いざ、スー・フォールズへ アリーナ前の何もない風景
出発までは、仕事もそれなりに忙しく、おまけにサイトのリニューアル作業などしていたこともあり、とにかく慌しく過ぎました。TP&HBの方は、ツアーが始まっていないので情報もなく、ライブを観に行くという実感は全く湧きません。それに対して、Fleetwood Macは、しげやんが地元で一足先にライブに出掛け、すっかりやられて帰ってきたので、なぜか盛り上がっておりました。しばらく、しげやんと私は、Mac(特にLindsey)熱に浮かれ、TOSHIさんを困惑させ続けました。

そして、気がつけば当日(6/26)。約11時間のフライトの後、12時頃にシカゴに到着。ここで、しげやんと落ち合って、スー・フォールズへと移動するのです。が、一足早くミルウォーキー入りするaraさんも、同じ頃、同じ空港を横切るということがわかり、事前にランデヴー計画を立てていました。私とTOSHIさんが、待ち合わせのターミナルに着くと、既にaraさんとしげやんが談笑中でした。日本から遠く離れた空港で対面するというのも不思議です。二人と無事に会えて一安心。異国にも関わらず、いつもながらの心地良い空間が出現して、スッカリ寛いだ気分で旅行はスタートしました。

軽い昼食の後、araさんとは翌々日の再会を約束して、3人でスー・フォールズへと向かいます。そして、2時間後に降り立ったのは、何とものどかな雰囲気の漂う場所でした。人が少なくガラ〜ンとしている空港からして、緊張感が全くありません。ホテルまでの道程も、これといったモノはなく、ただただ平原(空き地?)が広がっていました。「マジで何にもないね」と3人で苦笑い。ここでTP&HBのライブがあるとは、にわかには信じられない景色です。それにしても、よくこんな所まで来たものだと笑うやら呆れるやらです。時間の関係から私達は空港〜ホテルの往復しかしていませんが、見所は少ない街と勝手に推測… 多分、2度と訪れることはないんだろうな〜と思っております。
* Sioux Falls (ライブ)

チェックイン後、長旅の疲れを癒していると、あっという間に時間が過ぎて、開演時間が迫っています。ただ、周囲には何もなさそうなので、ここで食事を取り損ねるとライブ後に困るに違いないという訳で、まずはホテル内のレストランに行きました。ライブ前の緊張感もなく、良い具合にアルコールも入って、「このまま飲んでよ〜っか」「それでもイイネ」というような不届きな冗談でスッカリ寛いでしまい、結果的にオープニング・アクトのMavis Staplesを見逃してしまいました。お勉強のためにCDを貸して下さったキーノさんと、多分楽しみにしていたTOSHIさん、ゴメンナサイ。

さて、Sioux Falls Arenaは宿泊したホテルと通路でつながっている便利な立地。廊下を気軽に歩いて行くと、そこがコンサート会場、といった感じです。我々3人が到着した時には、会場の入り口付近に沢山の人が集まっていて、ああ、ライブがあるんだなと初めて実感したのでした。

Sioux Falls Arenaは八角形の建物で、それ程広くはなく、スタンドも1階のみ。キャパは6,800人。ほぼ満員の観客が会場を埋め尽くしました。私たちが席に着いた時にはステージはほとんど片付いていて、TP&HBの登場も近い雰囲気になっていました。さすがに、この頃になると緊張感も高まってきます。
そして、いよいよTP&HBの登場。ライブの内容は基本的には、昨年の『The Last DJ』ツアーと同じような感じでした。嬉しかったのは、いきなり1曲目が"American Girl"だったことで、思わず、しげやんと歓声を上げてしまいました。ただ、『The Last DJ』からのナンバーは、初日が2曲、それ以降はタイトル曲のみに。「The Lost Cities」ツアーと題して、これまであまり訪れていない街をまわるのですから、やはり、「Greatest Hits ショー」になってしまうのは仕方がないのでしょう。

ステージの装飾も昨年の『The Last DJ』ツアーで使用していたセットの使いまわしでした。ただし、昨年はセットのスクリーンにイメージ映像とTP&HBの実写がオーバーラップされていたのですが、今回はTP&HB自身の映像はなく、ちょっと手抜きだな〜と残念に思いました。

TP&HBの様子は、これまた昨年とあまり変わらず、スーツなどのシックでダークな装い。TPは肩下まであった髪を切って、見慣れた髪型に戻ってました。Mikeは元々細いのですが、今回はさらに痩せたように見えました。また、前ツアーで目立っていたScottは、今回は『DJ』のナンバーが減ったこともあってか、いつもの控え目なポジションでしたし、Ron Blairに至ってはさらに控え目になっているかのようでした。

考えてみれば、昨年12月のニューヨーク、ボストンのツアー最終2公演に出掛けているので、今回で連続4公演を観たことになります。ちょっと代わり映えがしないと感じてしまうのは、贅沢以外の何物でもないですね。ごめんなさい。
昨年のNYのステージ Sioux Fallsのステージ
我々の座席は、アリーナのほぼ真中でした。前から23列目、ステージに向かって右側のブロックですが、運良くセンターの通路横です。しげやんが身長の低い私を一番通路側にしてくれたので、驚くほど視界はクリア。ライブが始まってからは通路に立っていましたが、フラットな床にも関わらず、前を大きく遮るものもなく、会場が狭いこともあって、ステージはかなり近くに見えました。

ただし、この通路、ライブが始まっても人の往来は止まず、幅も3mくらいあるので、後方の席の人が次々と押し寄せてきました。特に、みんな自分のお気に入りの曲になると前方に進み出て、やがて係員に押し戻される、というのを繰り返していました。これには参った。自分の視界が遮られるという以上に、集中力が途切れてしまうのです。ただ、この光景も決して、ギスギスした感じではなく、何だか無邪気な印象を受けました。注意を受けた人は悪びれる事もなく、歌い踊りながら引き上げて行きました。やっぱり土地柄でしょうか。

観客の多くは心からライブを楽しんでいました。ただし、熱心なファンという人は多くはなかったかもしれません。ポピュラーな部分でのTP&HBが好きで、地元にやってきた有名ロック・バンドのライブを観に来たという感じです。これが多分、別のアーチストでも同じような盛り上がりだったのではないでしょうか。

とはいえ、6,800人近い観客は熱烈にTP&HBを歓迎し、その盛り上がりはスゴかった。"Free Fallin'"や "Mary Jane's..."ではまさに会場中が大合唱。それだけで嬉しくなる光景でした。だから、"The Last DJ"が始まった途端に会場がサ〜ッと静かになって、多くの人が休憩タイムに突入した時は、一瞬、私自身が凍りつく思いで、何ともサブかったです。

初日の彼らは珍しく固くなっていたのか、ものすごく出来が良かったという訳ではなかったように思います。それに、やはり昨年とは違う内容で、聴いたことのない曲を演奏して欲しいという、期待というか希望はありましたので、若干ガッカリしたというのも正直なところです。それでも、前回しっくりしなかったコーラスなどはほとんど気にならず、"Mary Jane's..."も復活してました。何よりも、実物の彼らを見ながら演奏を聴くのは、何物にも変え難い充足感です。加えて、見ず知らずの土地にやって来たという意味不明の高揚感もありました。それはライブ後も続き、満足な一日目を終えました。
* Rosemont (FMライブ)

翌日(6/27)はシカゴの空港まで引き返し、夜は待望のFleetwood Macのライブです。私は6年前の復活ツアーも観たのですが、新譜を発表しての今回のツアーにはより期待が高まります。でも、最近の傾向で、チケット代はバカ高い($125)。その点、TP&HBの良心的なチケット代($49.50と$54.50)には、その信念も伝わっているだけに、改めて敬服するのであります。

会場近くのホテルに宿泊したので、アリーナまでは歩いて5分ほど。早めにルーム・サービスで夕食を済ませ、20:00の開演に合わせて出掛けました。Allstate Arenaは空港近くの何もなさそうな土地に突如出現した大きな建物。真上を着陸態勢の飛行機がぐんぐん下りて通り抜けて行きました。おおコワ。この日は多少年令層の高い観客が多かったようです。そのためか、期待していた「ニセStevie」(Stevie Nicks風のいでたちの女性)はほとんどおらず、ちょっとガッカリでした。

肝心のライブですが、TP&HBの時とは違って、幾分気楽に楽しみました。Stevie Nicksがヒラヒラ踊りクルクル回るのを観て喜んだり。Lindsey Buckinghamが前方のファンと握手し、気軽にサインしているのを見て、良い人だ〜と感動したり。今回のツアーはChristin McVieが脱けて、それをマイナスだと言うファンの人も多いようですが、私自身は新譜の内容や事前情報から全く問題ないと感じていました。実際、素晴らしいコンサートでした。中でも、Lindseyはやはり偉大でした(私のLindsey熱は悪化してしまいました)。

24曲、3時間近いステージはとにかくスゴイです。Macのメンバー、TP達よりは年上なのですよ。まあ、久々のツアーで充電バッチリなのでしょうが、正直なところ、TP&HBももっと頑張って欲しいな〜と思いました。この日以来、TOSHIさんは、自分は昔からMacファンだったと言い張っております。少しは認めて頂けたようで、私としては幸いです。

彼らは来年早々にオーストラリアでのツアーを予定しているようなのですが、是非とも日本にも来て欲しいです。ああ、そうしてくれないと、オーストラリアに行ってしまいそうなので何とかして欲しいです。とにかく、またライブが観たくて仕方ないのです。
* Milwaukee Summerfest

さらに翌日(6/28)は、ローズモントからミルウォーキーまで、車で2時間弱のドライブです。運転はしげやんに全てお任せで、車窓を流れる景色を眺め、カーラジオで良さそうな曲を物色し、そして笑い話で涙を流しているうちに、ミルウォーキーに到着。途中の景色は、これといったものもなく、日本の田舎の風景とさほど変わらないように思えましたが、流石にミルォーキー市内の重厚な街並が見えてくると、やはりアメリカなのだと実感します。ミルォーキーは少し寒いくらいで、しばらくして雨も降り始めました。比較的薄着だった我々にはちょっと辛かったです。

早速、araさんの宿泊している市内のホテルに向かい、まずは、お部屋にお邪魔して、あれこれ捜索&情報交換。続いて、近くのBBQ店で一足早いミルォーキー・オフ会。そして、私たち3人のホテルにチェック・インした後に、Summerfest会場に向いました。

先乗りのaraさんに見せてもらったSummerfestのプログラムで、改めてその内容を知ってビックリ。1968年に始まったSummerfest、何でも、このイベントには毎年100万人近い人がやってくるらしいのです。実際、我々3人は出遅れてしまったため、市内のホテルが取れずに、少し離れた空港近くのホテルを余儀なくされました。

今年のSummerfestの期間は11日間(午前11時30分から深夜まで)、その間、Marcus Amphitheaterでメインのアーチストがライブを行う他、屋外ステージが12ヶ所も設置され、様々なライブ等が予定されています。その顔ぶれもスゴクて、Marcus AmphitheaterにはTP&HB、Peter Gabriel、Fleetwood Mac、Foo Fighters、The Dead、Santana、etc... 。それ以外のステージにはSteve Winwood、Buddy Guy、LL Cool J、Little Richard、Cheap Trick、The Moody Blues、Joe Cocker、Michelle Branch、Wilco、John Hiatt、David Lee Roth、The Jayhawks、Los Lobos、etc...、7/6にはThe Wallflowersも出演予定になっています(ギャア〜)。

これは音楽好きには堪らないはず。Marcus Amphitheaterでのライブのチケットは別料金なのですが、それ以外は入場料の$12を払えばOKです。勿論、ライブ以外のアトラクションもあって、家族で楽しめるようになっています。と、なぜかSummerfestの関係者のような内容になっちゃいました。でも、きっとaraさんやしげやんは、来年も行きたいと狙っているに違いありません。
Summerfestへの道
さて、会場近くのだだっ広い駐車場に車を止めて、そこから5分くらい歩いていくと、Amphitheaterが見え、会場への入口もありました。この頃には天候はスッカリ回復して、非常に気持の良い気候になっていました。既に夕方近い時間でしたが、まだ陽は高く日中と変わりない明るさです。会場は公園と遊園地を併せたような雰囲気で、人でごった返していました。まずは、近くにあったステージを眺めてみます。araさんとしげやんは早速、ビールを買い込んで気持良さそうに飲みつつ、演奏を冷やかして観つつ、TP&HBのライブ前の一時を寛いで過ごしました。


出演していたのは地元バンドのようで、それなりに実力もありそうな男性3人組。途中まではそれだけだったのですが、Stonesの"Gimme Shelter"の演奏が始まると、いきなりファンらしきお姉さんがバッキング・ボーカルとなって、ステージに乱入。そのお姉さんは、まじめな図書館司書と言っても通用するくらいの地味目な外見とは裏腹に、異常に大きな声でガナリ立てはじめ、その迫力にバンドの存在感は吹っ飛んでしまいました。う〜スゴ過ぎる、一体何者だったんだろう??

Summerfestの会場を一周して見物を終えると、いよいよTP&HBのライブ会場となるMarcus Amphitheaterに向います。入口付近にあったTシャツ売り場は超混みで、一昨日スー・フォールズで購入しておけば良かったねと後悔。やはり、ミルォーキーは規模が違うのだと実感。後から聞けば、Marcus Amphitheaterのキャパは、24,000人だそうです(3.5倍ですね)。

我々の座席はステージ向って右サイドの前から25列目くらい。少し距離はありますが、段差があるので視界はバッチリです。一般の座席の後には芝生席もあり、続々と集まってくる観客を見るにつけ、圧倒されるようでした。やはり、一昨日とは違うよなあ。建物は完全には密封されてはいないので、ライブが始まる頃はちょっと寒いくらいでした。それでも、しげやんはビールを買い込んで美味しそうに飲んでました。途中、はしゃいでしまって、気が付けば、大事なストックを倒してしまいゴメンナサイ。
 * Milwaukee (ライブ)
BenとそのGF(?)、後姿がRon
Bo Diddleyを覗き込むMike


会場に入って程なく、オープニング・アクトのBo Diddleyが登場しました。一昨日はオープニングを見逃してしまいましたが、今日はバッチリ。Bo Diddleyが姿を見せると、前方正面にいた熱心な(TP&HB)ファンを中心に、スタンディング・オベージョン。TPも敬愛するロックンロールDaddy、今年73才。ステージ中央のイスに座っての演奏ですが、特有の力強い歌声を響かせていました。ラスト近くには立ち上がって、ドラムスを叩き始め、またも大きな歓声とスタンディング・オベージョンを受けてました。うーん、スゴ過ぎる。

Bo Diddleyの演奏中に面白い光景が。私達の座席からはステージ全体が見回せたのですが、演奏が始まると、ステージ右手の袖にRonとBenmontとガールフレンド(??)がやって来て、楽しそうにステージを観ていました。Ronは手にビデオ・カメラを持っていました。程なく、金髪女性が奥から飛び出して来たのを見て、3人とも「あっ来た来た」と思ったものです。その女性はDana Petty(TP夫人)、快活そうにBenのGFと絶え間なくおしゃべりを続けていました。

その右手のメンバー達とは別に、目の良いTOSHIさんが舞台中央左手の機材が積んである後にMikeを発見、これには大笑いしました。物陰からコッソリ覗いているその姿は、いかにもギター・オタ○少年といった感じで、しかも、そこからパシャリと写真まで撮ってました。さすがにTPは出て来ませんでしたが、みんな観たかったのですね。まるで子供みたいなHB達でした。
Bo Diddleyの演奏が終わってしばらくすると、araさんがやって来ました。araさんは私達とは別にチケットを取ったのですが、それが実は(左寄りの)最前列なのでした。冗談で「襲撃してやる〜」と言っていたせいか、araさんが私と席を代わってくれるとおっしゃるではないですか。それは嬉しいには違いないですが、やはり申し訳ないと恐縮していると、試しに席を見に行って来ればということになり、araさんのチケットを手に出掛けて行きました。ステージ向って左サイドの最前列を目指して行くと、確かにステージから少し左に外れてはいるのですが、正しく最前列の席でした。

位置的にはBenmontのキーボードよりもさらに外側、角度的には真横に近いでしょうか。それでも、前方に人がおらず、ステージが間近に観えるというのは、非常に魅力的で、当然帰りたくなくなってしまいました。そうしているうちに、会場の照明が一段暗くなって歓声が上がり、「TP&HBが出ちゃうよ、どうしよ〜」と半ばパニック状態で、戻れなくなってしまいました。元の席の辺りを見上げると、しげやん、araさん、TOSHIさんらしき人々を発見、手を振ってみると、TOSHIさんが気づいてくれました。そこで、OKサインで、ここに留まるという合図をしました(したつもり)。みんな、ゴメン。でも、誘惑には勝てませんでした。

そうしているうちに、TP&HBが登場です。この瞬間はいつもドキドキします。勿論、さらに良く見えるようにと、前にある柵の手すりを強く握り締めて身を乗り出します。ちょっと角度はありますが、そこには紛れもなく、TPとMikeと、そして今回はBenmontが近くにいるのでした。とはいえ、この瞬間から、ただただ「カッコイイ〜、キャア〜」というモードで、またもや彼らに魅入られて記憶が吹っ飛んでしまうのでした。

ただ、多少の使命感は残っていたのか、バッグに入れてあった使い捨てカメラで写真を撮ることを試みました。1枚パシャリと撮ったところで、前方にいる巨体の会場スタッフに睨まれました。彼のゼスチャーではフラッシュはダメということらしい(カメラ自体はOK)。そこで、その後はフラッシュなしで、時折シャッターを押してはいるのですが、所詮使い捨てカメラなので、写りは今イチ(というかTPが極小)でした。

とにかく、最初の3曲目くらいまでは、そこにTP&HBがいるという事実だけでイカレているので、興奮しつつ彼らをジ〜ッと見つめていました。いつもながらのTPの歌声、TPはやはり人を惹きつける存在なのでしょう。ライブが始まると、ほとんど目を離すことができません。

ステージに近いせいか、最初のうちは音のバランスに違和感があったのですが、慣れれば普通に聴けるようになりました(気のせいだったのか)。演奏曲目はどうやら一昨日と同じようです。当然、1曲目の"American Girl"から大合唱。Sioux Falls Arenaよりもキャパが大きいこともあって、Marcus Amphitheaterの観客の歌声はさらに力強く、圧巻でした。

ここまで、TPとMikeとBenmontを追っていたので、他の部分には全く気がつかなかったのですが。"Free Fallin'"が終わった後に、私の目にふと飛び込んできたのは、ステージ右サイドに置かれたベース・ギターでした。それが何を意味するのか、当然すぐにわかりました。途端に、言いようのない悲しさがこみ上げてきました。残念ながら、私の側には、この気持ちを共有することのできる仲間がいませんでした。そう、自分自身の裏切りのために。きっと、これは天罰なのだと悟りました。

Howieが亡くなった時、TP&HBはOfficial Siteにコメントを出しましたが、残念ながら、それ以上のものは伝わってはきませんでした。私はどこかにスッキリしないものを抱えていたので、ミルウォーキーでは、多少なりともその答えが出るのではないかという期待がありました。そして、このライブでTP&HBはHowieのベースを置き、彼らなりの追悼をしてくれました。そう考えるのは少し安易かもしれません、でも、それで救われる思いがしたのは確かです。

"Mary Jane's Last Dance"の時は、幻想的な演奏のせいでしょうか、Howieの魂がステージの上にふわふわと浮遊している様子を思い浮かべていました。悲しい事実は消えませんが、少しだけ心が落ち着いてきて、その後はライブにも気持が行くようになりました。勿論、TP&HBは演奏でも応えてくれました。
今回、初めてと言って良いほど、Benmontの姿をじっくり眺めることができました。特にオルガンを弾く時は外側を向いているので、表情も正面から見ることができました。印象的だったのは、この日から演奏されるようになったカヴァー曲"I'm Cryin'"でのコーラス。かなり必至の形相で、「ア〜ア〜ア〜」と歌っていました。いつも涼しげにプレイしているかのようなBenmontだけど、こういうのもあるのねと妙に嬉しくなってしまいました。

Scott、Steve、Ronは距離があったこともあり、あまり良くは見えませんでした。ただ、Scottが時折、Ronの隣にピッタリくっ付いて演奏していたのが気になりました。その表情も、まるで生徒の心配をする先生のようでした。そのせいか、Ronは一層控え目に見えました。一方、Steveはスッカリこのバンドにいるのが当り前のような感じで、楽しそうにプレイしていました。

TPとMikeは時々、私のいるサイドにギターを弾きながら遠征してきました。ただ、彼らはたいていステージに敷かれたカーペットの端で止まってしまうので、残念ながら、それよりもさらに外側にいる私の目の前という訳にはいきません。それでも、彼らが近づいて来ると、私を含めた周囲の観客のテンションは一気に上がるのでした。間近で観る彼らの演奏はやはり迫力があります。

前半のある曲間で、MikeがBenmontの側まで来て、左サイドの観客達に笑顔を振り撒いていました。私も、ここぞとばかりにMikeに向かって両手を振りました。そうしたら、Mikeもそれに合わせたように、手を振り返してくれるではないですか。うーん、まさかな〜、きっと後の人に振っているんだよ、と思ったので、再度同じように両手を振ると、Mikeも合わせて同じように手を振り返してくれるではないですか… 非常にドキドキしました。マジで、Mikeは私に手を振ってくれたのかなあ、そうだったら超嬉しいのですが。うーん、偶然だったのかもしれませんが、可能性としては有り得ますので… はい、そういうことにしておいて下さい。

一昨日と同じ流れでライブは進んでいきました。本編16曲とアンコール2曲の全18曲。思いの他、少なかったのは残念としか言いようがありません。それでも、演奏の内容は素晴らしく、やはり観に来て良かったと思いました。おまけに、こんなに近くで観ることまでできたのですから、この幸運に感謝するしかありません(araさん、本当にありがとう)。

最後のナンバー"You Wreck Me"が終わり、ご挨拶も済むと、観客の盛大な拍手や歓声を背に、TP&HBはステージ右手に消えて行きました。いつもながら、最後は寂しい気持になってしまいます。ああ、行ってしまった、終わってしまった。しばらくは呆然とステージを眺めていました。気が付けば、Howieのベースはまだステージに置かれたままでした。人のまばらになった会場の階段を昇って、元の座席まで戻って三人と再会すると、なぜかホッとしました。「良かったね〜」 「ウン、ありがとう」… ふわふわした気分で会場を後にしました。
* Thanks

TP&HBのライブの余韻を引きずりつつ、これで帰っても良かったのですが、Summerfestはまだまだ続いていました。そこで、近くに出ていたLittle Richardのステージを覗いてみることにしました。話に聞いていた通りの語り口と強烈なルックスには思わず笑ってしまいましたが、これぞロックン・ロールというナンバーを演奏していました。辺りはSummerfestを楽しんでいる沢山の観客達の熱気で一杯でした。

現在、71才というLittle Richard、そして、73才のBo Diddley、TP&HBも敬愛する先達ですが、とにかくスゴイとしか言いようがありません。50代そこそこのTP&HBの面々も、まだまだこれからなのかもしれません。この先、10年も20年も彼らは変わらず歌い続けてくれるのでしょうか… 勿論、かなりの確率で「YES」だろうと思ってしまったミルウォーキーの夜でした。
とにかく楽しい遠征でした。ライブ以外の時間は終始笑いっぱなし。観光してないのは全く気にならず、とにかく楽しかったのです。ご一緒して頂いた、しげやん、TOSHIさん、そしてaraさんには、いくら感謝しても足りないくらいです。特に、しげやんには、いろいろな面で頼ってしまいましたが、お陰でとても快適な旅をさせて頂きました。本当にありがとう。近い将来のDCオフ会を熱望してますので、その節はよろしくね!
Sioux Falls & Milwaukee