SWINGIN' Live Report update: 2008. 7. 21

2008. 6. 17 & 18 Madison Square Garden (New York, NY) / Prudential Center (Newark, NA)
You Don't Know How It Feels reported by TOSHI
2年ぶり、しかもTom Pettyの「もうやらない宣言」後、初めてのツアーということもあり、期待以上の不安や戸惑いを抱え東海岸へ飛びました。

結果から先に言うと<不完全燃焼>。気持ちが燻ったままです。多くを期待をしていなかった観戦だったにも関わらず… 「悲しいライヴだった」というのが本音です。

誤解の無いように説明しておきますが、ライヴの質が極端に落ちているというのではありません。実力のあるメンバーが集まったバンドですから、一定の質を保っているのは当然のことでしょう。初めてライヴで聴く曲もありましたし、お馴染みの曲の中でもアレンジを変えて、新しいことに挑戦しようとする姿勢も見ることができました。何より、TP&HBを愛する多くのファンと共に、彼らが作りだす圧倒的なロックンロール・サウンドに包まれることができたのは幸せ以外の何物でもありません。数年前のツアーよりチケット料金は上がっていますが、それでもまだ良心的な部類でしょう。コストパフォーマンスは決して低くありません(笑)。

では、何が引っかかってネガティブな感想を持つようになったのか… 一番はTom Pettyその人自身に対してです。いまさらTPの有言不実行を責める気もありません。むしろ私的には彼のビッグマウスを楽しむ余裕さえあります。だって、そういう人なんですから。その度に怒っていてはこちらの身が持ちません。「今度は何を言い出して人々を煙に巻く気なのかな〜」とTPの発言を一歩下がって聞けば、結構面白いものです。

嫌だったのは<万全の状態でライヴに臨んでいない>という一点に尽きます。ミュージシャンは演奏される音楽で語られるべきだと思います。その発言の善し悪しで評価されるものではないでしょう。そういう意味では、今回のTPはNo Goodです。特に、声が出ていないのにも関わらず、ステージでタバコを吸い続けるのには怒りさえ覚えました。元々、喉が強い人ではありません。扁桃腺の手術をして「二度と歌えないんじゃないか」という経験もしています。タバコを吸う方が調子が良いというミュージシャンもいますが、TPの場合は違うと思います。歓声に消され、粗が目立たなかっただけで、じっくり聞くと全く歌えていない部分が多々ありました。Scott Thurstonのコーラスにどれほど助けられていたことか。

他にも、ギターは適当に弾く、ダンスやパフォーマンスは旧態依然のままと、とても見聞きするに堪えない箇所がいくつもありました。TP、一体どうしちゃったんだよ…

まあ、あまりグチっていても仕方無いので1曲ごとの簡単な感想、使われたギターのレポートほかを以下にまとまさせてもらいます。
 2008年 7月 17日 NY

1  You Wreck Me
TP Fender Esquire (黄色/ローズネック)
MC Gibson SG
※TPのギター、会場では白が変化して黄色くなったように見えたのですが、ネットに掲載された色々な写真をみると本物の黄色に見えます。

最近のツアーでは終盤に持ってこられることが多かったので、興奮状態で聞くことが多かったのですが、こうしてオープニングに演奏され多少冷静に聞くと違和感がありました。というのも『Wildflowers』ではギターのリフとTPのヴォーカルが良い具合にミックスされているのですが、ライヴではMikeのギターが若干弾き過ぎ気味で、グシャッと潰れた仕上がりになってしまっていたのです。この違和感が全ての始まりになったのかな。
TPはピックを持たずに演奏していました。理由は分かりません。サウンド的に特に変化しているとも思えませんでした。まさか持ち忘れとか(笑)。

2  Mary Jane's Last Dance
TP Fender Telecaster (白/メイプルネック)
MC Ampeg Dan Armstrong クリスタル・ギター

早々と名曲の登場。でも、TPのヴォーカルの粗さが気になりノリきれませんでした。喉の調子が悪いのか、体力的な問題なのかはこの時点では分からなかったですけど、メロディーを崩して語るように歌っていたのは明らかに声が出ないことをカヴァーする姑息な手段でした。
Mikeの使っていたAmpegはKieth Richardsが使っていたので有名なギターですね。オルタモントの悲劇を記録した映画『Gimme Shelter』の中で見ることができます。TPがこのギターを抱えているプロモーション写真を見たことはあるのですが、あれと同じなのかな?

3  I Won't Back Down
TP Guild D-25-12
MC Gretsch White Falcon (シングルカッタウェイ)

この曲での盛り上がりは相変わらず凄かったです。歓声が地響きのようにうなって会場の盛り上がりは早くも最高潮に。Mikeのスライドギターも安定していました。

4  Even The Losers
TP Fender Telecaster (白/メイプルネック)
MC Ferrington Double Neck

ここ5〜6年の間、いくつかの会場で酔った観客が虚しいリクエストを送り続けていたこの曲をライヴで聞けるとは思いませんでした。こういうサプライズをもっと増やして欲しいですが。旅の疲れからか「あの時の酔っ払いもどこかの会場でこれを聞いているのかな」と変に感傷的になってしまいました。
Mikeがこのギターを使うのは2001年のツアー以来かな?使われなくなるギターが多い中、こうして復活してくれるのは嬉しいことです。

5  Free Fallin'
TP Rickenbacker 1997 (ゴールドピックガード)
MC Ferrington Double Neck

観客のシングアウトに誤魔化され、TPの声の不調があまり顕在化しませんでした。そこがベテランのスゴイところでもあり、ズルイ点でもあります。そう言いながら思いっきり歌っていたのは私です(恥)。

6  Cabin Down Below
TP Fender Telecaster (白/メイプルネック)
MC Gibson 335 (サンバースト)

ライヴ映えする曲なので、多少の粗さは雰囲気に埋もれてしまった感じでした。実際のところMikeのギターの冴えがいま一つだったかな〜。
Mikeのギター、後で確認したらネックにバインディングがあるので、おそらく59年〜60年頃の物だと思われます。太いけど伸びのある良い音を出していました。

7  Sweet William
TP Fender Telecaster (白/メイプルネック)
MC Gibson 335 (チェリーレッド)

この曲がセットリストに加わっているのは事前に知っていましたが、いざ演奏されると観客の受けは半々でした。決して悪い仕上がりではなかったのですが… 有名でない曲に対するアメリカ人の反応は結構ドライです。まあ"Room at the Top"のCDシングルでしか聞けないのだから仕方ないかもしれないんですがね。私的には一気に駆け抜けたような演奏は、とても良かったと思います。感覚の違いなんでしょうね。

8  End of the Line
TP Guild D-25-12
MC Ferrington Double Neck

名手Mike Campbellにしても、この曲のバッキングは難しいらしく、余裕が見られなかったのが残念です。それにしてもTPとヴォーカルを分け合ったScott Thurstonは本当に上手い。一聴の価値があります。もう少し評価されても良いミュージシャンだと常々思っているのですが、あまり陽が当たりませんね。

9  Can't Find My Way Home (with Steve Winwood)
TP Fender Stratocaster (白/ローズネック)
MC Duesenberg Mike Campbell singature guitar(青)

正直、あまり語りたく無いです。ヴォーカリストとしての経験・素質のみならず、何もかもTPの方が劣っていると見せ付けられたステージでした。一瞬にして会場の空気を変えるあの声も素敵ですが、何よりも歌に対する真摯な姿勢がSteve Winwoodの全身から感じられ、それが観客にも伝わり一体感が生まれるという夢のような経験をすることができました。TP、少し見習え。

10  Gimme Some Lovin' (with Steve Winwood)
TP Fender Stratocaster (サンバースト/ローズネック)
MC Duesenberg Mike Campbell singature guitar(青)

ギターからキーボードに代わったSteve。隣りでピアノを弾くことになったBenmontの子供のような笑顔が忘れられません。この2曲でバックに回ったTP&HBはコーラスを含め、最高の演奏を聞かせてくれました。自分たちの曲もこれくらい真剣に…

11  Saving Greace
TP Rickenbacker 1993 (360S-12)
MC Gibson 335 (チェリーレッド)

ギターのリフを強調した、よりロック色の強いアレンジに変えて演奏されましたが、準備不足は否めませんでした。全体的にまとまりがいま一つ。ですが、全員が新しいことに挑戦しようとしている意志は感じられました。その証拠に演奏終盤には、一瞬ですが最高のグルーヴ聞かせてくれ「これは期待できるかも」と思わされました。あえて「勇気ある失敗」と言っておきましょう。実際、翌日の演奏はスゴイものでした。
TPのRickenbackerは今年のスーパーボウルで使用したのと同じものです。遠目でも状態の良さが分かるほどキレイなギターでした。やっぱ Rickenbacker似合うな。

12  A Face in the Crowd
TP Guild D-25-12
MC Ferrington Double Neck

こういう曲をライヴでサラッと演奏できるのがTP&HBの魅力だと私は思います。分かりやすい盛り上がりが少ないわりに、独特の世界観に溢れる難曲ですが、Heartbreakersは見事にその魅力を再現してくれました。今回のセットリストからは消えてしまっている"It's Good To Be King"もそうでしたが、懐の深さを感じさせる演奏がたまらなく素敵でした。この手の曲をもう少し増やせないものでしょうか。

13  Honey Bee
TP Fender Telecastor (白/メイプル)
MC Gibson 335 (サンバースト)

終盤のシャウトにTPの声が耐えられるか心配でしたが、見事に失敗しました。予想通りすぎ(笑)。本人は凄味をきかせて低音で歌っている風にしていましたが、単に声が出なくて1オクターブ下げていただけ。歌えないならセットリストから外せ(怒)。

14  You Don't Know How It Feels
TP Rickenbacker 425 (FG)
MC Gibson 335 (サンバースト)

アメリカ人はこの曲好きですよね〜。今までに10回以上は聞いていますが、どこの会場でも大変な盛り上がり方でした。日本では『Wildflowers』が全く売れなく、そこが人気の分水嶺になったのですが、アメリカではグラミー賞を獲るくらいの受け方ですからね。Scottのハーモニカの音が極端に大きく、本人が一瞬とてもイヤそうな顔したのが印象的でした。ステージで起こるノイズやハウリングなど、あってはならない音に一番敏感に反応するのは彼ですからね。
TPは2005年のツアーでも、この曲に同じRickenbackerを使っていました。余程相性が良いのかな?

15  Learning To Fly
TP Gibson J-180
MC Electric Mandolin made by Tony Revell

特に可も不可も無い演奏でした。最近はアコースティックバージョンで演奏されることが多いですが、そろそろオリジナルな形で聞きたいですね。
帰国後の一番の収穫は、Mikeのギターの作者が分かったことです。イギリスのギター製作家 Tony Revellが手掛けたものとのこと。5〜6年近く疑問に思っていたことが解消できて良かった。

16  Don't Come Around Here No More
TP Rickenbacker 1997 (ゴールドピックガード)
MC Coral Electric Sitar 〜 Gibson SG

アメリカ人の好きな曲第2弾(笑)。盛り上がるというか、観客が無理に盛り上げている気がする。この曲が始まると私は逆に引いてしまうんですが(笑)。TPの道化ぶりが可笑しくて、まともに見ていられません。一体、何年同じことを続ければ気が済むんだろうか… Mikeの演奏も豪快というよりは粗さが目立って、この曲の魅力を削ぐのに貢献していました(悲)。

17  Refugee
TP Fender Stratocaster (白/ローズネック)
MC Rickenbacker 350 (ゴールドピックガード)

この日の中でMikeの最低の演奏はこの曲。イントロは間違える、ソロはもたつく、エンディングはまとめられないと、どれを取ってもダメ。私が今まで聞いたことのあるMCの演奏の中でも最低のものです。思い出しても腹が立つので、これ以上は書きたくないです。
 encore
1  Runnin' Down A Dream
TP Gibson FirebirdV (アーム無し)
MC Gibson FirebirdV改造 (アーム有り)

この曲のイントロが鳴れば条件反射的に会場は盛り上がります。しかも、 いままでのツアーで見たことの無いくらい、観客に自分のプレイをアピールするMike。みんな大喜びですが… Mikeのギターに繊細さが無い。それが引っ掛かって一緒に大喜びする気にはなれませんでした。なんだか普通のギター弾きに成り下がってしまったようで悲しかった。ギター職人、求道者としての姿は全くありません。Mikeの心に何かが起きているような気がしてなりません。
MikeのFirebirdはオリジナルと違うピックアップを搭載(P-90)していました。それが少し不恰好に見えたのが残念。ペグも改造してオリジナルでは無いものが付けられていたようです。
2  Mistic Eyes
TP Rickenbacker 1997 (ゴールドピックガード)
MC VOX Starstreamer

私的には「受けないのにいつまでセットリストにへばりついているんだろう」という感想しかない曲。極端ですが。Themのオリジナルは嫌いでありませんが、TPの演じる(まさに演じるという言葉がピッタリな)ヴォーカリストのパフォーマンスは、古臭いフリとあやつり人形のような動きに終始していて、見ているのがツライです。
3  American Girl
TP Rickenbacker 360-12 (MG)
MC Duesenberg Mike Campbell singature guitar (青)

「これを聞きにきたんだよ〜」と言わんばかりの観客の盛り上がり。TPの声なんか誰も聞いていなくて、各々が大声で歌ってストレス発散している非常に健康的な曲(笑)。演奏がヨレていようが、ヴォーカリストの声が出ていなくても一向に構わないストレートなアメリカ人にあらためて驚かされると共に、呆れてしまった。と言いながら、私も一緒に歌いました。偉そうに書いて申し訳ありません。私もバカなんです…


続いて翌日の Newark の感想を。
 2008年 7月 18日 Newark

1  You Wreck Me
TP Fender Esquire (黄色/ローズネック)
MC Gibson SG
※前日と同じ
「You wreck me baby 〜」のくだりを2回繰り返してから、Mikeのコードカッティングを合図にエンディングへ向かうのが正しい終わり方なのですが、何故か1人だけ繰り返しを待たずに1回目でエンディングへ突入してしまったメンバーがいます。Mike Campbellさんです(笑)。BenmontもSteveも大笑いでしたが、一番笑っていたのは当の本人です。

2  Listen To Her Heart
TP Vox Mark-Y
MC Ferrington Double Neck

前日同様"Mary Jane's〜"かと思っていたら、違うギターを手にした2人。TPのVOXを見てもしやと思っていたらイキナリあのイントロが始まりました。こういうサプライズは大歓迎。わりと軽い感じで演奏されましたが、仕上がりは良かったです。
3  I Won't Back Down
TP Guild D-25-12
MC Gretsch White Falcon (シングルカッタウェイ)
※前日と同じ
ここからは、前日と特に変わったことが無い曲が続きました。
4  Even The Losers
TP Fender Telecaster (白/メイプルネック)
MC Ferrington Double Neck
※前日と同じ
5  A Face in the Crowd
TP Guild D-25-12
MC Ferrington Double Neck
※前日と同じ
6  Mary Jane's Last Dance
TP Fender Telecaster (白/メイプルネック)
MC Ampeg Dan Armstrong クリスタル・ギター
※前日と同じ
7  End of the Line
TP Guild D-25-12
MC Ferrington Double Neck
※前日と同じ
8  Saving Greace
TP Rickenbacker 1993 (360S-12)
MC Gibson 335 (チェリーレッド)
※前日と同じ
この日の最高の演奏はと聞かれたら、迷うことなくこの曲の名前を上げます。前日でも終盤に聞かせてくれた確かなグルーヴがイントロから溢れ、そのテンションを最後まで保ったまま演奏しきったTP&HBにはただただ脱帽です。演奏のメリハリ、リズムのうねり、押し引きの加減の絶妙さ、どれを取っても完璧に近かったと思います。
9  Free Fallin'
TP Rickenbacker 1997 (ゴールドピックガード)
MC Ferrington Double Neck
※前日と同じ
褒めるとすぐこうだ(怒)。オープニングのTPのギターはヨレヨレで、歌に入る前の最後の音なんミストーンですからね。「歳とって手が自由にならなくなったのか」と罵詈雑言を浴びせたくなってしまいました。良いことは続かないんでしょうか…
10  You Don't Know How It Feels
TP Rickenbacker 425 (FG)
MC Gibson 335 (サンバースト)
※前日と同じ
11  Sweet William
TP Fender Telecaster (白/メイプルネック)
MC Gibson 335 (サンバースト)
メモを見ると、Mikeのギターが前日とは違っていることになっています。同じGibson-335なので、書くときにミスったのかな?YouTubeで映像を探しましたがありませんでした。う〜ん、残念。
12  Learning To Fly
TP Gibson J-180
MC Electric Mandolin made by Tony Revell
※前日と同じ
13  Don't Come Around Here No More
TP Rickenbacker 1997 (ゴールドピックガード)
MC Coral Electric Sitar 〜 Gibson SG
※前日と同じ
14  Refugee
TP Fender Stratocaster (白/ローズネック)
MC Rickenbacker 350 (ゴールドピックガード)
※前日と同じ
この日のMikeは良かったです。私の憎悪に満ちた気持ちが通じたんだろうか(笑)。イントロからいつものMikeらしく、キッチリとした音を聞かせてくれて、本当に安心しました。ソロ、エンディングとも今までとは違う、ロングトーンを主体に構成されたフレーズでこれでもかと畳み掛けるような音の塊を投げつけてくるようで、受けるのに精一杯。これでこそMike先生!
 encore
1  Runnin' Down A Dream
TP Gibson FirebirdV (アーム無し)
MC Gibson FirebirdV改造 (アーム有り)
※前日と同じ
2  Gloria
TP Rickenbacker 1997 (ゴールドピックガード)
MC VOX Starstreamer
※前日と同じ
NYと同じギターを抱えたので "Mystic Eyes"かと思いましたが、イントロが流れてきた瞬間、隣りのMayuさんと顔を見合わせてしまいました。Themの曲がThemの曲になっただけなのでサプライズとは言えませんが、こういう変更は大歓迎!私が好きな曲というせいもあるのでしょうが、"Mistic Eyes"よりは遥かに観客の受けが良い感じでした。会場を見回すと、ほぼ全員が立ち上がって「G〜l〜o〜r〜i〜a」の大合唱。Heartbreakersの演奏もそれに応えるかのように、バンドが一塊になって強烈なグルーヴを生み出していました。
3  American Girl
TP Rickenbacker 360-12 (MG)
MC Duesenberg Mike Campbell singature guitar (青)
※前日と同じ
前日はエンディングの3連符を弾きづらそうにしていたMike。もしかしてギターのせいかとも思いましたが、この日は完璧にこなしていたので本人の問題だったんですね。繊細かつ豪快な演奏が戻ってきて万歳!不満はあれどなんとなく満足してしまうのがファンの悲しい性なんですね。
こうして2日間のライヴは終わりました。
2日目のレポートでTPの声に関して全く感想を書いていませんが、調子が良かったのではなく<最悪>でした。Scottがいなかったら、観客が勝手に脳内補正して聞いてくれなかったら、どんなに悲惨な状態になっていたか…それを考えるとゾ〜ッとします。ライヴ中盤からはステージ上で喫煙まで始めるTP。責任感も何も感じないのかキミは。情け無いぞ〜。

情け無いといえば、ステージスタッフにもヒドかった。1日目にMikeが上着を脱ぎました。いままでのツアーだったら直ぐにスタッフが駆けつけ、その上着をバックステージに運んだのですが、今回はライヴが終わるまで放りっぱなし。しかもMikeのギターアンプに覆いかぶさった状態のままですよ。信じられないとしか言いようがない。

信じられないといえば、Mikeの変貌ぶり。これには驚かされました。いままで自分のプレイを観客にアピールすることはほとんどなく、淡々とギターを引き続けていたMike。もちろん、ギターを低く構えて弾いたり、ネックを高々と掲げたりとそれなりのパフォーマンスはしてきましたが、今回のMikeはそれらを遥かに超えていました。何よりも違ったのは、ソロの時にTPの居なくなったステージ中央まで歩み出てギターを引き続けたことです。これが一度だけでなく、何度もあったのです。そればかりでなく、自分の定位置に居る時でも、大きく腕を回したり、極限までギターを低く構えて弾いたりと、様々なパフォーマンスを続けていました。Mike、君に何があったんだい?

逆に良かったのはBenmont。ここ何回かのツアーで元気が無さそうな様子だったので、体調面を凄く心配していました。そんな思いも単なる取り越し苦労だったようで、今回のステージではBenmontらしいプレイを随所に聞かせてくれました。緻密な計算に基づいたフレーズはもちろんのこと、MikeのギターやTPのヴォーカルに反応した一瞬のメロディーがたまらなく格好良い! Mudcrutchではヴォーカルも披露したんですから、そろそろ本気でソロアルバムの制作を考えて欲しいものです。
Tom Petty and the Heartbreakersはアメリカを代表するバンドの一つだと今でも信じています。演奏力は多くの人が認めるところでしょうし、若手を含めた現役バンドの中でも集客力は決して低くはないと思います。でも、TP&HBはこのままで良いのでしょうか?
 
遠征にまで出掛けて行くくらいですから、私は当然彼らのファンです。TP&HBの創り出したロックンロール・ワンダーランドの住人であるとも思っています。そこでは、ギターという魔法の杖を持ったTPが繰り出す、音楽という魔力に魅せられた人々が、自分たちの好きなやり方で楽しんでいます。もう、その夢の世界から立ち退く時間が近づいているんでしょうか?お願いだよTom、もう少しだけ夢を見させてくれないかい。そんなに多くは望まないから。Tom Petty and the Heartbreakersの音楽、それだけがあればいいんだから。
 
こんなことを書きながら、次のツアー観戦を目論んでいます。いつになるかは分かりませんが。その時はきっと…

Live Data 〜 Outline, Members and Set List 〜

date Tuesday, Jul-17 Friday, Jul-18
place Madison Square Garden (New York, NY) Prudential Center (Newark, NA)
opening act Steve Winwood Steve Winwood
playing time approx. 120min. approx. 120min.
# of songs 17 + 3 14 + 3
member Tom Petty vocal, electric guitar, acoustic guitar  Mike Campbell electric guitar  Benmont Tench piano, organ, backing vocal  Ron Blair base, backing vocal  Scott Thurston guitar, harmonica, backing vocal  Steve Feronne drums


6/17 @ Madison Square Garden 6/18 @ Prudential Center
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17

1
2
3
You Wreck Me
Mary Jane's Last Dance
I Won't Back Down
Even The Losers
Free Fallin'
Cabin Down Below
Sweet William
End of the Line
Can't Find Way Back Home
*
Gimme Some Lovin'
*
Saving Grace
A Face in the Crowd
Honey Bee
You Don't Know How It Feels
Don't Come Around Here No More
Learning to Fly
Refugee
〜 encore 〜
Runnin' Down A Dream
Mystic Eyes
American Girl
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14

1
2
3
You Wreck Me
Listen To Her Heart
I Won't Back Down
Even The Losers
Face In The Crowd
Mary Jane's Last Dance
End of the Line
Saving Grace
Free Fallin'
You Don't Know How It Feels
Sweet William
Learning to Fly
Don't Come Around Here No More
Refugee
〜 encore 〜
Runnin' Down A Dream
Gloria
American Girl
* with Steve Winwood

Straight Into Darkness : Tour Report by Mayu