Live Report update: 1999. 9


1999年 8月27日 Shoreline Amphitheatre 
Setsuko&BUCHI in Mountain View Setsuko
今年は何と言っても全米ツアーの年。当然コンサートを見に行くつもりで、今年の夏はアメリカ西海岸旅行よと、早々から家族にも働きかけ、首を長くして待ちわびていました。ツアーのスケジュールが発表されてからは日程と地図を首っ引きで調べ、複数のコンサートを掛け持ちできないかなどと大胆な野望さえ抱いたりして。とはいえコンサート会場はほとんどが都市から離れた郊外で行われており、やはり現実問題として追っかけは無理。そりゃそうだ、幼い子供二人を連れた家族旅行だもの。泣く泣くコンサート1回で我慢することになりました(それだって十分幸せなんだけど…)。最終的に、8月27日のサンフランシスコを南に30マイルほどいったところのMountain Viewという町中のShoreline Ampitheatreでのコンサートに決めました。

さてチケットゲットをどうしよう。ちょうどいい案配に3月のFillmoreで友達になったFrank氏が同じショーに行きたいと言ってきました。Tomさんたちの今年のツアー・チケットはチケットマスターなどで市場に出回る前に、あちらの音楽ケーブルTVのVH1が発表する特別の電話番号を通じ、熱心なファンが一足先に購入できるようになっていました。ところがそれはフリーダイヤル番号なのですが、なぜか我が家の電話はつながらない。フリーダイヤルは国際電話では駄目なの?結局、友人がこちらの分までVH1で買ってくれたのですが、ただ競争が激しかったのか、実際は期待したほど良い席ではなく、かなり後ろの方でした。

今回のコンサートは夫とTeam HBのBUCHIさんといっしょに見に行きました。夫は特にファンではないのですが、私の生き甲斐と言ってもいい最愛のロックンロール・バンドのコンサートを見ずして私のパートナーとは言えない、と夫を説得し同行してもらいました。ほんとうは子供たちも連れて行きたかったのですが、6歳と3歳ではまだ幼いと思い、今回はベビーシッターと留守番をしてもらいました。けれど会場に着いてみると子供連れの家族もたくさん来ていて、とくに芝生席にはそういったお客がたくさん見られ、なぁんだこれなら連れてきても全然問題なかったと拍子抜けしてしまいました。立派なTomさんのファンなのに、可哀相なことをしてしまった。今度は絶対連れて行ってあげるからね。
今回のコンサートでは事前にひとつの緊急事態が起きました。私は23日にアメリカ入りして、旅行中ネットにアクセスできない状態だったのですが、24日に友人に電話を入れたところ、Tomさんが咽頭炎により24、25日のショーをキャンセルしたとのこと。ガァーン!どうしよう…もし27日も駄目だったらショックで立ち直れないよう。とくにBUCHIさん。コンサートのためだけに来るというのに大丈夫なんだろうか。不安と心配で頭が一杯になってしまったけど、今更ジタバタしても仕方がない。ひたすら祈りながら待つしかないと覚悟を決めました。万が一キャンセルのニュースが出た時には友人に連絡を入れてもらうように頼みました。でももしコンサートが行われても、病み上がりでいまいちのTomさんの声を聞かされても、何と言うかがっかりだし…覚悟を決めたと言いながらも不吉な考えがなかなか頭から消え去らないのでした。

しかし27日当日になっても悪い知らせは来ず、BUCHIさんとも無事合流でき、3人で車にてMountain Viewに向かいました。 45分ほどFreewayを走り、下りてから間もなく会場に到着しました。まだパーキングに余裕はあったとはいえ、まだ6時なのにすでにたくさんの車が停まっていました。早速入口のチケット売り場で記念写真をとり、駄目もとでカメラをバッグに忍ばせ、入口に向かいました。バッグを開けるように言われ、開けてみせるとちゃんと見たのか、OKとすぐ通してくれました。カメラ見えてたんだけどなぁ。いい加減だな、もう。これならレコーダーも持ってきちゃえば良かったなどと先程までの心配も何のその。

入場するとまずいくつかの露店とおみやげ売り場が目につき、次いで長い列が目に入りました。一体何のために並んでいるのかと思いましたが、我々は席も決まっているのでそのままふらふらと中の様子を見ることにしました。小さなステージが設置されバンドが演奏していました。会場の入口の近くの壁には、これまでShorelineでコンサートを行った有名アーティストの写真パネルが何枚か飾られていました。マドンナなどもありましたが、中に94年10月に行われたTP&HBの写真があり、TomさんとMikeがギターを奏でる姿が写っていました。5年前ということで今よりも若干若々しい印象。写真を写したかったけれど、まわりに関係者がいっぱいいたのでカメラが取り出せず残念でした。

そうこうしているうちに長い列が動き始めました。よく見ると彼等は後ろの芝生席の観客たちで、場所とりのために並んでいたのでした。ご苦労様です。家族連れも多く、小さな子供もけっこういました。何だかほのぼのしていて大らかでいいですねぇ。演奏前の腹ごしらえも済ませ、おみやげ等も買ったので会場に入ることになりました。まだ前座が始まるまで30分もあり座席はガラガラ。でも後ろを見ると芝生席はかなり埋まっていました。芝生席の上に特大のスクリーンが設置されており、彼等はそこで映像も楽しめるようになっていました。ということは椅子席の後半部がいちばん割が悪い訳ね。しようがないな、もう。おまけに2階になっているのでステージまでは行けないのです。

さてせっかく用意してきた「日本に来て!」のハガキをどうしよう。ちょうど私たちの前方に音響機器が設置されていて、そこで動き回っている人たちの中に背の高いアジア系の人が目に入りました。もしかしたらあの人がシカゴでSammyがアプローチしたスタッフの方かも。あの人に託すしかない。そう思い、BUCHIさんと二人で傍まで行き「すみません」と声をかけてみました。突然の日本語にびっくりされたように振り向かれましたが、日本から来たファンであることを告げ、Tomさんたちにハガキを渡して欲しいとお願いすると二つ返事で引き受けてくれました。 Sammyのことも覚えていてくれたようです。 ああ、良かった。Tomさんたちに無事メッセージは届いたと思います。西村さん、ありがとうございました。
開演前のステージは、赤いカーテンに縁取られたステージとそのまわりを7つのお香の壷のようなものが天井からぶら下がっていて、エキゾチックでアラビアチックな感じのするものでした。ステージ上にはFillmoreでも使われていたペルシャ絨毯が敷かれていて、きっとバンドのお気に入りなのね。前座が終わるとステージの上部に絵の具を散らしたような白い布が三方に吊るされ、ちょっと奇妙な雰囲気。また「Take The Highway」のようによくわからないセンスの舞台装置かなぁとちょっと心配になりました。

さて前座のLos Lobos。 残念ながらほとんど知らないバンドなのです。 ファンの方には申し訳ないのですが。何でも昔 La Bamba(これは知ってる)というヒットを出したグループということですが、この曲は演奏されませんでした。初めの何曲かはハードロック調の曲で、後半にメキシカン色の濃い曲が演奏されましたが、そっちの方が良かったかな。とにかく私はいきなり聞かされてもピンと来ないし、批評も出来ないので彼等に関しては何も書けません。ごめんなさい。

Los Lobosの演奏が40分ほどで終了すると、ステージはTP&HBの出番に向けて準備体制に入りました。9時前に電話をかけに客席の外に出ると、まだまだ入場してくる客がたくさん。みんな開演時間をしっかり計算してやってくるのね。勉強になります。9時になると会場の席もほぼ埋まり、あとは彼等の登場を待つばかり。
しばらくして客電が落ち、暗くなった舞台が突然輝き、と同時に"Jammin' Me"が始まりました。その前に恒例のTomさんの「Oh, Babydoll!」という挨拶が聞こえたように思います。あれってどんな意味があるの?ってアメリカ人のファンたちもMLなどで騒いでいますが、Tomさんらしくて素敵なオープニングの一声ですよね。演奏が始まると同時に観客は総立ち。もう初っ端からめちゃハイテンション。それにしてもああやっぱりアメリカ人は背が高い。段差があるとはいえ、しっかり舞台を見ようと思うとつま先立ちになって覗かなくてはならず、しかも100メートルくらい離れてる(?ような気がした)からほとんど豆粒状態のTomさんとHeartbreakersの面々でした。

Fillmoreの時は確かに恵まれ過ぎてたのよ。 これが現実というもの。でも音質はとても良かったです。そして気になっていたTomさんの声も…バッチリでした。とても病み上がりとは感じられず、張りもあって調子が良さそうでした。こうでなくっちゃね!やはり演奏が始まると嬉しくて、大声で歌い踊ってしまいました。となりのグループともすでに仲良くなっていたので、彼等が時々双眼鏡を貸してくれて、Tomさんたちの服装や表情も覗くことができました。もうTP&HBが好きだ、という共通点だけで長年の友達のような気持ちになって打ち解けてしまう、これって堪りませんね。前の席に座っていた男の子はフジ・ロックフェスのことを知っていてびっくりしちゃった。Phishが好きなんだって。とにかくおしゃべりも盛り上がって、TP&HBのファンになって良かったと実感する一時でした。

"Jammin' Me"の後は"Runnin' Down…"と続き、これまでのツアーとほぼ同じ演目と思われました。くぅーっ、Mikeのギタープレイは何回聞いても堪らない…。"Swingin'"では「This song is about a GOOD girl who went BAAAAAAAAD…」というTomさんの紹介文句で始まりました。う〜ん、すてき。ずいぶん昔の曲だけどといって始まった"Don't Do Me Like That"、人気がありますねぇ。聞いてて楽しいものね。

Mikeの"I Don't Wanna Fight"。大分Fillmoreの時よりこなれていた感じでした。夫がCDとおんなじだな、と言ってました。どういう意味? Mikeの歌になると若干会場が盛り下がるのは仕方ないのかな。でも席についてくれると舞台がその分よく見えるのでいいや。

"Mary Jane"、また会場がワアーッと盛り上がる。上を見ると夜空に星がたくさん見えました。星を見上げながらTP&HBの生演奏を聞く。何という幸せ…。"I Won't Back Down"、隣にいたAshiliという女の子がこの曲好きなのと言ってました。会場の大合唱。私は星に祈りながら歌いました。Tomさん、日本のみんなの前で歌ってください。みんなの夢をどうかかなえて。

"Listen To Her Heart"ではこの曲が出た当時、ここベイエリアのラジオ局以外どこもかけてくれなかったんだ、ちょっとnaughty wordが使われてるからってね、というTomさんの話しが入りました。 アンコールで出てくる"Gloria"の曲の中でも「Marijuana」という言葉が出てくるけど、観客はその度大喜びしてましたね。高校生の時行ったコンサートでも同様だったけど、会場でのマリファナ使用状況は相当すごいです。かなりの匂いでしたね。Tomさんたちは割と肯定派のようですからね。う〜ん、お国柄の違いというのでしょうか。
そうそう舞台の印象ですが、嬉しいことに予想を裏切りたいへん美しくて抽象的な空間が演出されていました。照明の変化で様々な模様が次々と展開してまるで万華鏡のようでした。遠目から見ていたせいもあって、美しいオルゴールの箱の中で小さなTomさんたちが演奏してくれている、そんな景色でした。

"It's Good To Be King"。これはかなり演奏が長い曲ですが、後半のMikeとTomさんのギターの競演が堪らない。これが再び聴けて本当に幸せでした。もうほとんど恍惚状態。"You Don't Know…"と続き、Mikeのソロタイム、"Penetration"。途中で"Godfather"のテーマなど取り入れて演奏されました。ここで小休止する人もけっこういたけど、ふん、あなたたちMikeの素晴らしい演奏を堪能しないでどうするの、人生損してるよ、というもの。最後にギターを片手で大きく持ち上げあいさつをしていました。カッコイイ…(ため息)。

さて独特の前奏が始まり、舞台の照明が下げられ、Tomさんが例の箱を開けて帽子を取り出すあの曲が始まりました。これも人気曲。楽しいなぁ、もう。…アコースティックの"Walls"が始まり、次いで始まった曲は…、あっこの前奏、まさかまさか"The Waiting"?! 今までツアーで演奏されていなかったはずだけど、何で?、どうして?、もしかして私のため???(な訳ないって)、でもショーの前に西村さんに渡したハガキがTomさんたちに行ったせい?…すみません、この曲特に思い入れもあり、日本公演のキャッチフレーズでもあるタイトル。ついものすごい妄想が頭の中を瞬時に駆け巡りほとんど卒倒しそうでした。とにかく嬉しかったです。アコースティック・バージョンで後半のギターソロがなかったのがちょっと残念でしたが、私にとってショーの中でのhigh momentでした(涙ポロポロ)。ところで"The Waiting"ですが、帰国してチェックしたところ、22日のコンサートでも演奏されていました。なぁんだ、私のためじゃなかったのね、ってまあそれはそうなんだけど、まぁいいです…

その後もコンサートは順調に進み、"You Got Lucky"も良かったなぁ。"Free Girl Now"、"You Wreck Me"、そして彼等は一度舞台裏に下がります。約5分の拍手の後、彼等の再登場です。さあ、きょうは何をやってくれるのだろう。まず"Free Fallin'"。全員総立ち、大合唱。さすが最も知られた曲。次いで"Gloria"。待ってたよぉ。Fillmoreで聴いた時はこの曲よく知らなくて、しっかり堪能できなかった。今回はもうバッチリ。ああ、いいな、いつ聞いてもTomさんの語り口。映画のようなイメージが目に浮かぶのです。そしてTomさんが「And the wind started to sing her name!」と歌い、皆で「Gloria」と歌い出す。ああ、最高。何て素敵な歌だろう。Tomさん、ありがとう。

そしてラスト、"American Girl"でした。Tomさんが何やらいつもと違うギターを持っているみたい。双眼鏡で覗かせてもらうと、きれいなエメラルド・グリーンのギターでした。帰って来てから知ったのですが"Teardrop"という名前なのだそうです。素晴らしい演奏。そして曲の終わりにTomさんとMikeが片手で高々とギターを持ち上げ、観客の喝采と歓声に応えていました。そして6人で肩を組んでお辞儀をして、彼等は舞台を去っていったのでした。
アンコール後もしばらく拍手が鳴り止まず、誰もいなくなったステージにスポットライトが当たっていましたが、やがて客電がつきコンサートは終了。ため息と共に皆出口に向かいました。大量の車で帰りは大渋滞かと心配したけれど、意外とすんなり高速にも乗れて、1時間ちょっとでサンフランシスコ市内へもどることができました。

帰りにラジオをつけ、TP&HBをサポートしているというKFOG局に合わせるといきなり、ショーを楽しんでこれから帰路に向かう人のためにと3曲連続(!)でかけてくれたのでした。"Free Fallin'""Mary Jane""Swingin'"… さすがにアメリカでの扱いは違いますね。もちろんBUCHIさんも私もうっとり夢心地となって、コンサートの情景を胸の中で反芻しつつ、とても幸せな気持ちで帰っていったのでした。
Shoreline Amphitheatre, 1999.8.27
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Jammin' Me
Runnin' Down A Dream
Breakdown
Swingin'
Don't Do Me Like That
I Don't Wanna Fight
Mary Jane's Last Dance
I Won't Back Down
Listen To Her Heart
It's Good To Be King
You Don't Know How It Feels
Penetration
Don't Come Around Here No More
Walls
The Waiting
Room At The Top
You Got Lucky
Free Girl Now
You Wreck Me
〜 Encore 〜
Free Fallin'
Gloria
American Girl