2011~12年付ブログより転載
初めにお断りしておきますが、音源収集といっても「ものすごいコレクター」という訳では全くありません。ごく普通のファンとしてごく普通に集まったものばかり(??)。入手できていないアイテムは山のようにあるはずで、それを追い求めるのが課題であり・楽しみであり。
そんな私が音源収集の世界に足を踏み入れ、少しずつはまっていく様子を記してみました。1990年代後半から2010年代前半の話です。
きっかけ …
TP&HB の本格的なファンになってすぐ(1996年頃?)、近所のレンタルビデオ店のワゴンセールでふと手に取ったCDがそもそもの始まりでした。
見たことのない(チープな)ジャケット、どうみても怪しいものだとすぐに分かりましたが、何でも欲しい(聴きたい)時期だったので迷わず購入しました。安かったですしね(確か500円くらいだったはず)。食指が伸びたもう一つの理由はそれがライヴCDだったから。既に『Pack Up …』は見聴きしていて、「TP&HB の魅力はライヴにあり」と思い始めていたので、特にライヴへの興味が強かったのです。例え、それがオフィシャルなものでなくとも…です。
最初に入手したCD『Europe Calls Petty』(1982/12/4 Utrecht, Holland)は、『Straight Into Darknes』というタイトルでも知られている、TP&HB のブートクラシックスのひとつ。若々しい彼らの演奏が実にカッコ良く、音も決して悪くはなくて、「海賊版=粗悪」という既成概念が破られました。熱心な音楽ファンではなかったので、その辺の知識というか認識はほとんどありませんでした。通常のアルバム以外にこんな世界があろうとは… まさに「Another Side」をのぞいてしまった訳で、そうなると次なるものが欲しくなってきます。
どうやって情報を入手したのかは思い出せませんが(望めば道は開けるということでしょう)、程なくその筋のお店に出向いて音源を探すようになっていました。音源は主に西新宿界隈で、映像は高円寺F… 身に覚えのある方もいるでしょう(笑)。当時はトレードというより購入がメインで、それなりの金額をつぎ込みましたね。幸いにも TP&HB はタイトル数がそれほど多くはなかったので助かったけど。いや、実のところタイトル数が少ないのは、幸いではなく不幸だったんですね(涙)。
Full House
多分、音楽雑誌の広告欄で見たのでしょう。ブートレッグ映像を専門に扱う通販ショップがあるのを知ったのは。当時は『Pack Up…』『Take The Highway』くらいでしか動く TP&HB を観ることはできませんでしたから、やはり映像というのは抗し難い魅力がありました。今以上に彼らのルックスにも惹かれていましたし(笑)。
いくつかあった通販ショップの中から「Full House」という店を選んだのは、何よりも取り扱い内容が豊富だったから。最初にカタログ(リスト)を取り寄せてみると、「Tom Petty」の欄にびっしりと10本近いタイトルが並んでいるではないですか。ファンになるに従い、彼らのマイナーさを認識せざるを得なかった折に、このボリュームは嬉しい驚きでした。
実をいうと、ここを選んだもう一つの理由は、都内にある店舗で直接販売をしていたからでした。音楽ファン初心者の当時、勝手のわからない世界で怪しい通販に手を出すというのは少なからず抵抗がありました。でも、映像は観た~い… ですよね。
という訳で、とある平日の午後、友人に付き合ってもらって出掛けて行ったのです。場所は高円寺、記憶ははっきりしていませんが、駅前近辺の狭い雑居ビルの3階くらいにあったはずです。小さくて薄暗いビルで、狭くて急な階段を期待半分・不安半分でのぼっていきました。狭い部屋の入口にカウンターっぽいデスクがあって、そこで来客に応対するようになってました。中は雑然とした事務所という感じでした。
この時、カタログでチェックしていた中からVHSで3~4タイトル(確か「1995年シカゴ」と「1987年ウェンブリー」の映像だったはず)を購入。アートワークなしの素っ気無い家庭用ビデオが怪しさ満点でしたが、いざ観てみると、動く TP&HB にすっかり惹き込まれ、完全に「Another Side」に引き込まれてしまいました。
その後も長らく通販で利用していましたが、時代の流れでもう何年も前にショップは閉店してしまいました。仲間内でも数人こちらの利用者がいたようですが、さすがに店頭まで出掛けて行ったのは私だけのようです。あそこで幾多ものイケない映像をダビングして送ってたんのだな~と妙な感慨を抱きつつ。私の欲求を十分に満たしてくれた貴重な存在には感謝しております。
今となっては、ネットを介して気軽に映像が観られる時代。かつて購入したタイトルが無料でDLできたりもしますが、でも、あの頃のようなワクワクする気持ちは弱まった気がします。当時は時折郵送されてくる「新作カタログ」に TP&HB の新しいブツが載ってたりしたら、それはもう最高のプレゼントが届いたかのようにニコニコでした。
DLの世界
インターネットが発達するにつれて、音源の収集方法にも大きな変化が出てきました。そう、ネット上でのファイル交換によるトレードです。それも有志によるフリートレードが主流となっているため、ブートレッグによる商売は衰退の一途 … お世話になった「Full House」や「Airs」も店仕舞いして久しいです。
そういう私もDLを利用するようになってから有料サービス?は利用していません。多くのDLサイトが「ギヴ&テイク」で成り立っていて、一方的に欲しいブツを頂くだけでないのも良いですね。もちろん、イケないものだというのは承知していますが…
最初に音源DLを始めたのは2006年。そっち方面でもお世話になっている JK氏の話を小耳に挟んで、私もやってみようかな~という軽い気持ちからでした(笑)。早速、諸々の手順を経て(省略)… 順調にスタートしました。この年、TP&HB は30周年記念ツアー中でしたから音源は豊富に出回っていて、ライヴ終了直後にその音源が登場する状況には驚きました。
ただ、当時、私の使っていたPCは相当に旧型マシン(win98)でしたので、何をするにも時間がかかりました。加えて、どこかのサイトでスパイウェアにやられてあまり芳しくない状態に陥ったので、ファイル交換は断念。よって、その後は音源DLとは無縁の4年間となりました。
2009年末にようやく新しいPCに買い替えましたが、長らく習慣から遠のいていたためか、すぐには音源DLには思い至りませんでした。半年くらい経った後で、そういえば… と思い当たったのが、折りしも TP&HB @『Mojo』ツアー中。
そこからツアー音源と過去の音源・映像を地道に収集(DL)する日々の再開です。久々にのぞいたDLの世界ですが、TP&HB に関しては、2006年当時に比べて出回っている音源の種類は増えているように思います。それだけファイル交換による音源DLが一般化しているのかもしれません。
私の場合、TP&HB がメインのため利用頻度はそれほど高くはありません。特に、ツアー中でもない限りは、欲しいブツがなくてUL(seed)だけしているのが常です。でも、良いんです。どうしても欲しい「1997-1-31 & 2-1@Fillmore」のフル音源が出てくることを願いつつ、気長に続けて行くつもりです。もちろん、「Fillmore Live」はオフィシャル・リリースの方が良いに決まってますけどね。果たして、どっちが先になるのでしょうか…
(2020年8月追記)
その後の世界
上記のブログ投稿を書いて程なく、2012年に念願の Fillmore Live 1997年1月31日の音源を入手することができました。ブートが先でしたが、もちろん感無量です。
1997年2月1日の音源は2017年10月に。このときかなりの数の音源が出回ったのは複雑な心境でした。時間は止まってしまい、過去を振り返るのが唯一の楽しみになろうとは。
残念ながらネット環境の関係でここ2年以上はダウンロードはしておらず、音源収集も途中休憩の状況ですが、少しずつ内容を整理して今後のことを考えたいと思っています。
とりあえず、現在までに収集した音源・映像のリストを作成してみました。さらに TP&HB の宝物が集まることを祈念して。