ツアーパンフレットをご紹介(1999年)
(残念ながら、1999年の『Echo』ツアー以降はパンフレットは制作されていないと思われます)
1999年 Echo Tour (U.S.A.)
22ページ中17ページが、TP&HB の写真で占められ、ミニ写真集といった感のパンフレットです。写真は Fillmore でのステージの模様とアルバム『Echo』用のフォトセッションのもの。
同時に、サウンド(楽器/アンプなど)やツアーパーソネルなどのデータ、Jim Lenahan によるステージ・デザインに関するコメント、TPによるエッセイなども掲載されています。
(全20ページ)
TPによるエッセイ
バスの窓から外を眺めていたら、道端の草が高く茂った辺りを歩く少年が見えた。彼のことはチラッと見ただけだが、彼の履いていた靴だけはよく見えた。それはロックンロール・シューズだった。わかるかい、爪先が尖がって踵が高いやつだ。黒い革靴で、何て言うか誇り高そうな感じがする靴なんだ。
皆がアスレチック・シューズを履く以前のアメリカを覚えているかい?
カットはコンチネンタルで、夜の色彩はテクニカラーだった。今宵の色合いもコンピューター・グリーンにはならないぜ。心地の良いブルーとなるだろう。そしてミステリアスな三本足の犬となるだろう。ああすまない、僕は夢を見ていたようだ。今でも僕は夢を見るんだ。
小さな女の子が教えてくれた。夢見ることを忘れてはいけないと。全く良いアドバイスだ。もしもたった一人きりだったとしたら、この世はひどい所さ。夢なんていとも簡単に打ち砕かれてしまう。ただし音楽を聴いたなら、そうしたら夢は取り戻すことができる。
それはテレビから流れてくる安っぽいポップ・ミュージック・ビデオなんかじゃない。それはインチキ臭いセールスマンの薄っぺらな宣伝文句なんかでもない。ジャンプスーツを着たグルが、彼のように物事を見たらいいと言う。でも僕は彼を信じられない。だって僕には彼の靴がいいとは思えないから。
君にも僕の言っていることがわかるだろう。それは本当の夢で、それは君だけのものなんだ。Rock and Rollは、その完璧なデザイン故に滅びることはありえない。それは自由であり、誠実であり、頭をスッキリさせてくれる。そういうようにデザインされているんだ。
だからね、初めからそれは夢なんだよ。 忘れてはいけない。
<翻訳: Setsuko>