a Rebel without a clue
reported by Mayu
- date / place 2006. 9. 26 Hollywood Bowl (Hollywood, CA) / 2006. 9. 29 & 30 Greek Theatre (Berkeley, CA)
- post date 2007. 1. 31
* Into The Great Wide Open
昨年9月のツアー観戦から約4ヶ月、今となってはレポートを書けるだけの記憶はほとんど残っていません。帰国後、ブログに遠征準備&観光編のレポートを綴ってみましたが、いざ本編となったところで息切れし、それっきりになっています。なぜ、止まってしまったのか?「忙しかった」というのは言い訳で、本当はレポートを書くモチベーションが保てなかったというのが正直なところ。
ここ最近の TP&HB のライヴは、ほとんどパターンが決まってしまっています。残念ながら、初めて彼らのライヴを観た頃のワクワクした気持は沸き起こりません。ツアーごとに出掛けて行ってライヴを観ているので、「贅沢になっているせいだ」という声もあります。確かに、そうなんでしょう。もし、私自身が今回初めて(或いは久々に)TP&HBのライヴを観たとしたら、大いに感動したはずです。
そう、それは主観的なものに過ぎません。少なくとも、私自身はそう思っています。ライヴが良かったかどうか… もちろん、バンドの出来がどうだったかというのは大きな要素です。一方で、それをどう受け止めるかは、観客個人の価値観や状況やその他諸々で変わってきます。そして、最終的にはそれが感想につながります。
誤解のないように書きますが、今回の彼らの出来が悪かったという訳ではありません(最高レベルだったとも思いませんが)。バンドはそれなりに安定し、高い演奏力でライヴを淡々と進めていました。TPは上手く観客をいじり、多くの聴衆は大喜びで声援を送っていました。
ただ、それだけでは満足出来ない自分がいます。最大の理由は、私が彼らに期待しているからに他なりません。そして、彼らはその期待に十分には応えてくれなかった…と思っています。それとも、私があまりにも過度の期待を抱いているのでしょうか?期待に対するギャップはここ数年、多かれ少なかれ感じていること。今回は敢えて、私がTP(&HB)に抱いた不満を書いておこうと思います。
* All or Nothin’
<1> 30周年?
デビュー30周年ツアーと喧伝された今ツアー。ただ、オフィシャルやマスコミが騒ぐほど、実態はなかったと思う。内容的にもここ数年のツアーと同様「Greatest Hits」ショー。確かに、30年を振り返るのだからヒット曲・有名曲は外せないというのはわかるけど。でも、商業主義に異を唱え、時にシニカルに、時に人と違うことを好んできたTPその人に、私は期待し過ぎたのだろうか?
<2> 新譜??
『Highway Companion』ツアーというタイトルながら、新譜から演奏された曲目はツアーを通して全4曲。1回のライヴで平均2曲弱。これって寂し過ぎないか?「ファンは新曲を望んでいない…」そう判断し、判断される関係ってどうなんだろう。ソロ・アルバムだからライヴで演奏することは考えていなかったとでもいうのだろうか。
<3> セットリスト
ここ数年、ファンの間でも論争の的となっている演奏曲目の固定化問題。「大規模なツアーだから仕方ない」「何を演奏しようと(同じ曲を演奏しようと)TP&HBは最高だ」「セットリストが同じでウンザリ」…意見はその立場によって違ってくる。
彼らを擁護すれば、セットリストが固定されているのは、今に始まったことではない。多分、彼らは昔から同じことを続けているに過ぎない。では、なぜ今になって非難されるのか。主な理由は3つ… (1) 時代が変わり、様々な情報が即座に飛び交う。(2) Fillmore、Vic Theatre でのライヴがあまりにも強烈な印象を残している。(3) TPが大口を叩き、特別なことをやると吹聴する。
私は当然「ウンザリ」派(セットリストにもビッグマウスにも)。幸か不幸か、私が最初に観た TP&HB のライヴが Fillmore だった。あれはスペシャルなもので通常のツアーとは違う、もちろん、頭ではわかっている。でも、それがデフォルトとして埋め込まれたファンとしては、悲しいかな期待してしまう。
<4> 気力
そもそもの問題はコレなのかも。「最後のツアー」発言などをみると、TPはどうも疲れているように感じる。彼も決して若くはないから仕方がないが。定形化した事柄はそれなりにこなしているものの、それ以上はやる気がない、ように見える。とにかく、十分に休養して、気力を取り戻して欲しい。
* Kings Highway
いろいろ不満を並べてみましたが、「ライヴが全く楽しくなかったのか?」といえば、答えはNO。私なりに「楽しかった」「楽しんだ」ポイントをいくつかレポートします。
<1> Mike 先生
TP が老け込んでいくのに対して、Mike 先生は年々元気になるよう。謎のドレッド・ヘアも定着して、演奏もアグレッシブな印象が強かった。特に、「Runnin’ Down A Dream」のラストは圧巻。通常、左サイドでギターを弾いている Mike。以前はTP ほどステージ中を歩き回らなかったけど、今回は最後にステージ右サイド(右端)まで遠征してきて、鬼気迫るギター・ソロ。Mike 先生、大爆発。
Greek Theatre 1日目 — センター12列目の座席から多少冷静に、「おーMikeすごいよ~」と観ていたが~。
Greek Theatre 2日目 — (Mikeの遠征してくる)まさにステージ右サイドの座席にて超間近にやって来た Mike を観て、「キャアアア~」と叫ぶと、口をあんぐり空けて固まってしまった私。マジで凄かった。
<2> Jeff Lynne
Hollywood Bowl のライヴが始まる前にステージを観察していると、我々のいる右サイドのステージ袖にモジャモジャ頭を発見。「オオッ~」 ほぼ同時にTOSHIさんと声をあげた。直後に反対サイドから TP&HB が登場し、ライヴの始まり。今ツアーもセットリストがほぼ固定されているので、驚きはない。が、定番となった”Handle With Care”で、再びモジャモジャ頭が登場。夢の共演に思わず興奮。1曲だけでアッサリ引っ込んでしまったのは残念だったけど、遥々遠征した我々にとって、それはスペシャルなギフトだった。
<3> Stevie Nicks
Stevie Nicks は好きだし、両者共演を一度は観てみたい、でも、正直、3公演とも出て欲しくはないと(わがままに)思っていた。彼女が加わると内容は完全に一緒、しかもTP&HBの曲目は減る。でも、思いの他、Stevieは良かった(頑張ってた)。彼女がいなかったら、今ツアーは相当寂しいものになっていただろう。
私が初めてTP&HBを知ったのは、Stevie との「Stop Draggin’ My Heart Around」。もう25年も前のこと。Hollywood Bowl で聴いたその曲に胸がジーンときた。随分、時間が経ったものだ。
<4> TP
消耗が激しいのか、決まった動きが多くて、「操り(操られ)人形」を連想してしまうTP。どうも、あまり生気を感じられない。しかも、TOSHIさんが事前にライヴ映像を見せてくれ、「Oh Well」の時に持っているマラカスが「フライド・チキンに見える」と言うのだ。実物を観ると、もう「鶏もも」にしか見えず。チキン・スティックを持って踊るTP。しかも、3公演とも全く同じ動きをしていた。ある意味、すごい。
<5> SAMURAI
初めてのライヴに緊張気味な二人組。ちょっと心許ない。しかし、彼らはやってくれた。密かに準備したサインボード。Benmont の合掌は SAMURAI に向けてだったと私は信じている。まさに完全燃焼してた(笑)。なんだか、こっちまで嬉しくなった(涙)。みんな、頑張って TP&HB 観に出掛けようよ。
ひたむきにライヴに臨む姿勢が、今の私には欠けているのかもしれない。そんなことを思い出させてくれた、SAMURAI Boys に敬意を表して。
<6> Highway Companion Club
今回のツアーで最高の贈り物。それはファンが優先的に座席を購入することができるようになったこと。もちろん、私もその恩恵に与ることができた。特に、Hollywood Bowlの「POOL B 4列目」という座席は嬉しかった。巨大な会場の極限られた最前のブロック、それだけで心が震える。実際にその場に立ってみて、妙に神聖な気持になった。
* Built to Last [Thanks]
Hollywood でお会いした Snufkin Rin さん、SFオフ会でご一緒して下さった hideさん、まっちゃん&まっちょ君。楽しい時間をありがとう。もちろん、旅の道連れ、TOSHIさんにも感謝。やっぱ、Danginess Crab は最高だね。
今回はライヴ・レポートとはいえないコメント集となりました。「期待」という言葉を多用していますが、それが正直な気持です。では、もう TP&HB に期待はしないのか?答えはNO。もう TP&HB のライヴは観ないのか?きっとこれもNO。文句言いながら懲りずに観続ける…それでも、ファンなのです。管理人がこんなんじゃダメですか??
次回は素直なレポートを書きたいと心から願っております。その前に、次回は一体いつになるんでしょう???