Live Report: 40th Anniversary Tour(8/19, 22, 28, 30 & 9/1/2017)

Rockin’ Around (With You) 

2017年8月の北カリフォルニア遠征(5公演)。ライヴ後の様々な状況から約3年間手付かずの状態でした。今となってはレポートを書くことができませんので、当時の Facebook への投稿を使って記録としてとどめておくことにします。内容は、現地でライヴの前後および帰国後に投稿した簡単なコメントを写真とともに再編成したもの。文章には後からの思いは加えず、写真多めでお届けしますのでご容赦ください。

reported by Mayu-A

  • date / place 2017. 8. 19 / Seattle, WA  8. 22, 28, 30 / Berkeley, CA  9. 1 / Sacramento, CA
  • post date 2020. 9

40周年記念ツアーは8月後半の北カリフォルニアに狙いを定め、バークレーを中心に遠征スケジュールを組みました。バークレーの Greek Theatre で3公演、前後のシアトルとサクラメントを入れて5公演。時間があった(仕事してなかった)のでライヴ後に1週間のサンフランシスコ滞在を加えて計16泊。実はこの長期日程が結果的に功を奏しました。

1- Aug 19, 2017 Safeco Field, Seattle, WA

ボストン・シカゴに続いてのスタジアム公演も SOLD OUT で満員でした。3年ぶりのツアー、メンバーが年を重ねたのは見ての通りですが、TP のボーカル含め演奏はとても良かったように思います。単純な表現ですが、「TP&HB の演奏が進化している」のです。今回はその実感がより強かったので、演奏曲目が毎回ほぼ同じであることはさほど気になりませんでした。

この日の座席位置は左サイドで Benmont ピアノの外側でしたが、従来に比べてステージのセッティングが中心に寄っている(狭まっている)ように感じました。Benmont のピアノが思いのほかセンターの TP に近く、右サイドの Scott まで見渡せて視界良好でした。

その内外を TP だけでなく、Mike もセンター、右サイド、左サイドと縦横無尽に動きます。この辺りは Mike がソロを弾く位置ですので期待していたら(結構そこでも弾いてくれましたが)、肝心の RDAD ではなんとステージ右サイドに行ってしまい内心悲鳴あげました。右サイドで弾くのは珍しい気がします。昔は恥ずかしそうに定位置でギターを弾いていた Mike が、今や派手なアクションで暴れまわっていて、結構びっくり(時には唖然と)しました。

2- Aug 22, 2017 The Greek Theatre, Berkeley, CA

UC Berkeley 内の丘の上に建つ円形劇場 Greek Theatre。収容人員8,500人と聞いて意外に大きいと感じるほどこじんまりした雰囲気で、バンドと客席の距離も近い濃密な空間でした。後方の座席が石造りでお尻が痛くなりそうですが(私はその前の椅子席でしたので座り心地は不明)… もっともライヴ中は立っているから関係ないのかも。

Greek Theatre 公演の1日目。演奏曲目はシアトルと同じですが、やはり内容は充実してました。この日も Mike は弾きまくり&暴れまくりで、触発された TP が最後にマイク(スタンド)に突撃。何事かと思いましたよ 😅

個人的な今日のベスト3曲は、”Walls” “It’s Good to Be King” “Learning to Fly”でした。

当日の Facebook への投稿でこの3曲を上げているのですが 、5公演を通じてほぼ同じでした。もちろん、他の曲も良かったですが。特に “It’s Good to Be King” の圧倒的な演奏、全員が一体となった音の洪水は素晴らし過ぎて、毎公演楽しみでなりませんでした。

熱のこもった演奏が2時間ほど続き、ライヴが終わる頃には心地良い疲労感がありました。ただ、屋外のステージは若干冷え込んだのでしょう、TP も Mike も最後まで丈の長いコートを着たまま演奏していました。(その結果… TP の喉頭炎で次の3公演が延期となってしまいました。)

Aug 23, 2017 The Greek Theatre, Berkeley

本日(8/23)バークレー公演2日目の予定でしたが、TPの喉頭炎のため、来週月曜(8/28)に延期になりました😨

念のため会場に行ってみたのですが、既に情報が伝わっていたためか、あまり大きな混乱はありませんでした。

Aug 25, 2017 Golden 1 Center, Sacramento

バークレーからサクラメントに来ましたが… 大変残念なことに今夜(8/25)予定されていたサクラメント公演も延期となってしまいました😭 TPの喉頭炎が回復しないようです。

昨日こちらに来たのですが、「California State Capitol and Museum」観光だけで帰るしかないようです。残念😭😭😭

3- Aug 28, 2017 The Greek Theatre, Berkeley, CA

まさかの2公演延期を経て、またもや来ました… The Greek Theatre 😅 TP の状態も回復し、なんとか3公演やってくれそうです。今日(8/28)と明後日(8/30)、ここでライヴを楽しみたいと思います。

TPの体調不良(喉頭炎)による 2公演延期(中5日間)を経て行われたバークレー 2公演目。登場した TP は、初めは少し抑え気味だった気もしますが、不調を感じさせることはなくほとんど普段と変わらないステージでした。

TPの場合、その日その日でテンションが極端に変わるということはなく、淡々とステージをこなしているように感じます。「淡々と」と書きましたが、涼しい顔で手加減しているというようなことではなく、自身の持つ最大限の力を出すことに徹しているので、そのように見えるのではないかと思いました。

間近に観察すると、定型的な動きの中でも決して手抜きをすることなく、結構必死になってる様子が伺えます。中央で圧倒的な注目を集め、笑顔を振りまいてライヴを盛り上げる姿とは表裏一体かもしれません。

これが TP、なのでしょう。

個人的には今日も”It’s Good to Be King”に心を鷲掴み… 特に後半の Steve を中心に展開される演奏が凄まじいです。改めて素晴らしいバンドであるのを実感しました。

4- Aug 30, 2017 The Greek Theatre, Berkeley, CA

バークレー 3公演目。今ツアー初の”Breakdown”が登場したのはちょっとビックリ(嬉しい驚き)。

今ツアーで従来と変わったのはコーラスに The Webb Sisters が加わったこと。Howie 亡き後、コーラスは Scott が一手に引き受けていたのですが、いろいろ限度はあるでしょうし、負担も結構大きかったように思います。

Charley と Hattie、実の姉妹である2人の女性コーラスが加わってどうなるのだろうかと思ってましたが、ふたを開けるとなかなか良い感じ。コーラス面での活躍は言うまでもなく、全体に非常に華やいだ雰囲気になっていました。

何より、TP&HB が何だか楽しそうなのです。むさ苦しい(失礼)男所帯に可愛らしい女子が2人も入れば… そりゃ嬉しいですよね。特に、Scott と Ron は近くにいるので仲良さげ、終始ニヤニヤしてました。(Webb Sisters の写真は他日の分を編集してあります。)

5- Sep 1, 2017 Golden 1 Center, Sacramento, CA

サンフランシスコから列車で2時間ほどのサクラメントにきました。先週金曜の振替公演です。こちらは気温40度近くまで上がって超暑いですが、会場周辺は待ちわびたファンで賑わい始めてます。

1週間延期となったサクラメント公演が無事に行われました。ハリケーン Harvey で被害を受けたヒューストンの人々に捧げる旨のコメントに続いて歌われた”I Won’t Back Down”。会場にもこの曲の持つ力に励まされたファンが少なからずいたはず、そう考えると心が熱くなります。

ライヴ中盤の Heartbreakers メンバー紹介。TPが、Webb Sisters ⇒ Scott ⇒ Steve ⇒ Ron ⇒ Benmont ⇒ Mike と紹介していきます。

Mike との出会いについて、「いかにもひどい家に住んだ、ひどい“日本製の”ギターを持った青年」と表して、そのギターが超安物だと強調するために値段を言うんですけど、実は適当で毎回金額が違う。当初15ドルくらいだった気がしますが、日々下落して最後は3ドルくらい?になってました。(そんな安くないだろー、と苦笑。)

でも、Mike が “Johnny B. Goode” を弾くのを聞いて、「どこの誰だか知らないけど、一生、俺のバンドのメンバーだ」と言って、Mudcrutch に引き入れます。(これは有名な話ですね。)

そこから始まる40年超のヒストリー。ファンとしては感無量です。

これで北カリフォルニア遠征は終了。ありがとう、TP&HB!