My First Southern US Trip
reported by Mayu-A
- date / place 2014. 9. 23 Nashville, TN / 2014. 9. 25 Houston, TX / 2014. 9. 26 Dallas, TX
- post date 2014. 11
Tom Petty and the Heartbreakers の 2014年北米ツアーはビルボード200でナンバー1を獲得した新譜『Hypnotic Eye』をサポートする37公演(8月3日~10月11日)。私自身は9月下旬のナッシュビル、ヒューストン、ダラスの3公演を観ました。3都市を飛行機で移動しての遠征はまさにツアーの気分。これを長期間続けるミュージシャン&バンドってすごいなあと改めて感心しました。
Tuesday, Sep-23 ◇ Bridgestone Arena, Nashville
3公演ともキャパ 2万人前後のアリーナですが、当然のように満員御礼で多くのファンに埋め尽くされていました。ナッシュビルはステージ向かって右側ブロック。Scott より気持ち外側でした。初めは少~しだけ冷静に全体を眺めつつ観ていましたが、やがてはいつもどおり TP&HB に惹き込まれました(まあ当然だけど)。
この日の出来事… 本編最後(Runnin’ Down A Dream)、目の前の Scott を見るとしきりに後方に何かアピールしている。どうやらイヤホーンモニターが不調だったようで、やがて「ピキッ」とぶち切れた Scott はレシーバーを引きちぎって捨て去りました。ライヴ後にやっぱりその様子を目撃していたTSさんと大笑い(TSさんが見つけてくれた証拠映像はこちら)。同時に TSさんは「切れるほどに真剣にライヴに挑む」Scott に感動しておられました。
長らく非力なカメラで今イチな写真しか撮れませんでしたが、今回は満を持して20倍ズーム搭載のソニーのコンパクトカメラに買い換えました。その威力は抜群でちゃんとメンバー全員を撮影することができました(←レベルが低い)。後から驚いたのはサングラス越しに Mike の目が写っていることでした。その怪しい風貌もあってか、今回の Mike の写真は変なのが多いのですが、さすがにギターを弾いてるときのはメチャ格好良いです。
ただ、買い換えが遠征直前だったため、操作がよく分からず、ライヴ中に戸惑うことも多々あり。ズーム倍率が高くなるとTPが突然フレームから消えてしまうので焦りました… 恐るべし20倍ズーム。
TP&HBの演奏はいつもどおり安定していました。彼らくらいになると極端に悪くなることはありません。ただ、全般的に若干ゆるめ。特に、1曲目の「So You Want to Be a Rock’n’ Roll Star」はかなりマッタリしてました。
新譜『Hypnotic Eye』からは「American Dream Plan B」「Forgotten Man」「U Get Me High」「Shadow People」の4曲。ツアーを通して演奏されているので馴染んでいました。いずれも楽しめましたが、「American Dream Plan B」の「I got a dream I’m gonna fight til I get it right.」という、いかにも TPらしいメッセージを生で聴くことができたのは心に響きました。
2008年ツアーに続いてオープニングアクトは Steve Winwood 。前回は41公演中13公演で共演していますが、今回は全部で3公演のみ。幸運にもそのうちの1つに当たりました!私はオープニングセットの途中で「共演あり」と察知したのですが、前列の年配男性が「なんで Gimme Some Lovin’ やらないんだー」と不満げにぶつぶつ言ってました。「いえ後でやりますから」って教えてあげようと思いましたが… やめときました。
共演もオープニングも Winwood は素晴らしく、帰国後しばらくあの声が頭の中にこびりついていました。特に、この日のみ(共演で曲目が変更になったため)演奏された「Back in the High Life Again」が良かったのです。
Thursday, Sep-25 ◇ Toyota Center, Houston
ヒューストンに移動しての 2公演目。オープニングの Steve Winwood は通常の曲目を演奏し、今日の共演はなし。この日の座席はセンターブロックで Winwood の立ち位置より気持ち右側。その後、スタッフが TP用のマイクをセッティングし直すと、それは私の目線の前に。つまり、TPのほぼ正面の位置でした。わーい、この上ない幸せ。
そんな中でいきなり目に飛び込んできたのは、Mike のイエロージャケット。たぶん、ご本人は気に入ってるのでしょうが、その鮮やすぎる色彩は… (ビミョー)。今ツアーの Mikeはその風貌(ハット、サングラス、衣装)が怪しさ満点。近くにいたら個人的には避けて通りたいです。加えて、ステージからはさかんにファン(特に若い女子)にアピール。おやおや。一体何がどうした、Mike???と聞いてみたいものです。
でも、ギターを弾く姿の恰好良さはいつも通り、というかいつも以上。スラッとした長身にギターを持つと実に絵になります。TPを見つめる眼差し、足を開いた立ち姿、しなやかに身体をそらす仕草。やはり、恰好良いとしか言いようがありません。元々控えめな印象が強かった Mike も少しずつ変化して、演奏(+ルックス)は年々アグレッシブになっている気がします。バンドに恰好良いギタリストは必須ですから、このまま進化を続けて欲しいですね。
Mike をちら見しつつも、この日はやはり TP ばかり見てました。ここ最近なんとなく感じているですが、今回のライヴで強く思ったのは、TPはかなり真剣に一生懸命歌っているということ。当然だと思われるかもしれませんが、私の印象ではもう少し緩くリラックスした印象を持っていました。ところが間近で見る TPはかなり必死、というか誠心誠意ライヴに挑んでいるのです。広いステージをファンの声援に応えながら端から端まで歩き回り、ショウを仕切っていくのは実のところ重労働に違いありません。年令的なことを考えるとやはり大変なんだろうな~と。だからこそ、できるだけ摂生して頂き、楽しく気持ち良くステージに立ち続けて欲しいと切に願っております。
カメラの進化により、最後のご挨拶もしっかり撮れるようになりました。自分としては「わーいバッチリ撮れたー」と喜んだのですが、オフィシャル・カメラマンの写真を見るとやはりプロは違いますね。当然なのですが。あちらはメンバー全員の視線と笑顔をとらえたショットをちゃんと撮ってます。自分のはバラバラ。そんな写真を撮れる日が来るのだろうか… ちょっと無理っぽいけど、その日を夢見て修業しないと。
何だかライヴ(演奏)の話は1個も出てきませんでしたね。済みません。
Friday, Sep-26 ◇ American Airlines Center, Dallas
テキサスはあらゆるものが大きくて、このアリーナもとにかく巨大な箱でした。3回目の Steve Winwood。ステージに登場してもかなり地味な印象なのですが、演奏が始まりその声を発した途端に状況は一変。その場のみんなが惹きこまれてしまうのも納得です。これで50年間も歌い演奏し続け、今もあまり変わらないと思うと凄すぎます。気心知れたバンドの演奏が、アットホームな雰囲気で Winwood を上手くサポートしていました。ライヴでの私のお気に入りは「Had to Cry Today」と初日に演奏された「Back in the High Life Again」。またライヴが観てみたいですが、女子(Erikaさんと私)の意見としては、あの伸びすぎたモミアゲは超NGです。
この日の座席はステージ向かって左サイド、Benmont ピアノの外側に位置していました。よって、TPを横から眺めつつ、定位置でギターを弾く Mike の姿はほとんど見えませんでした。Steve に至っては全く見えませんでした。でも、その後 …(続きは後ほど)。
初日のナッシュビルに比べて、ヒューストン・ダラスの写真は少なめです。というのも、写真に気をとられていると、自分の目で観る部分がおろそかになってしまうから。私の場合、どう頑張っても演奏のディテールを記憶することはできませんので、演奏を全身で受け止めることが最良のライヴ経験なのです。(とはいえ、写真も撮りたいという気持ちはあるので常に煩悩との戦いですが。)
この日、センターブロックではなかったのでちょっと遠巻きにライヴを観始めたのですが、後になってそこがある種のベストポジションであることがわかります。演奏中の TP&HB メンバーには定位置がありますが、TP と Mike はよく動きます。TPはギターを弾きながらステージの両サイドに遠征、その度に左右のファンは大騒ぎです。Mike はほぼ左サイドのみですが、ギターソロは必ず前に出て弾きます。そして、Benmont ピアノの外側は Mike がギターソロを弾く、まさにその場所だったのです。「Mary Jane」「Refugee」「RDAD」「American Girl」、他にも数曲。鬼気迫る様相で一心不乱にソロを弾きまくる Mike。それはそれは、ただただ凄かったです。私は例によって口を開けて固まっておりました。TSさんはともかく、私には勿体なすぎる場所でした(ネコに小判)。
3公演を見られると喜んでいても、その3公演目も終盤になると寂しさが勝ってきます。楽しかった夢は間もなく終了、彼らと共有していた時間・空間も終わってしまう。何とも切ない気持ちです。その日も演奏を終えた彼らは晴れやかな笑顔を残してステージを去って行きました。時間は後戻りせず、彼らは既に次に向かって歩き出しています。それはバンドとファンの関係を表しているような気がしました。その後姿を見つめながら「また今度」と念じている自分自身がいます。完全にビョーキであることは間違いありませんが、夢を見続けることは生きる上で大切な要素。彼らがいつまでもそんな存在であってくれれば本望ではないかと。
今回も素晴らしいライヴ経験をさせて頂きました。ありがとう、Tom Petty and the Heartbreakers!また来年!?!?